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ヨルダン10番MFアルタマリに会見で質問殺到「レアル、アーセナル、マンUにどう?」韓国打ち砕く圧巻1G1A!

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MFムサ・アルタマリ(モンペリエ)

[2.6 アジア杯準決勝 ヨルダン 2-0 韓国 アルラーヤン]

 64年ぶりのアジア王座を狙う韓国の夢を打ち砕いたのは、ヨルダン唯一の欧州組アタッカーだった。背番号10のMFムサ・アルタマリ(モンペリエ)はアジアカップ準決勝で1ゴール1アシスト。いずれも自身の鋭いプレッシングから攻撃を完結させており、獅子奮迅のパフォーマンスで母国を史上初のアジア決勝に導いた。

 試合を通じて明らかな違いを見せた。前半27分、自身のボール奪取から放ったカットインシュートは枠を捉えられなかったが、後半8分に再び鋭いプレッシングでカウンター攻撃を牽引。MFパク・ヨンウの横パスをかっさらうと、縦に仕掛けてスルーパスを送り、ここからFWヤザン・アルナイマトの先制ゴールが生まれた。

 そして後半21分には勝負を決めた。韓国MFイ・ガンイン、MFファン・インボムのパス交換に果敢なアプローチを見せ、そのままボールを奪うと、今度は鋭いドリブル突破でゴール前へ。切れ味鋭いフェイントでファンに尻餅をつかせ、そのままの勢いで左足一閃。強烈な低弾道シュートをゴール左隅に突き刺した。

 アルタマリの2ゴールにより、ヨルダンは史上初の決勝進出を達成。対戦相手の韓国にはFWソン・フンミン(トッテナム)、MFイ・ガンイン(パリSG)、FWファン・ヒチャン(ウォルバーハンプトン)といったUEFAチャンピオンズリーグでのプレー経験を持つアタッカー陣が並ぶ中、お株を奪う大活躍でマン・オブ・ザ・マッチに輝いた。

 試合後、記者会見に出席したアルタマリには質問が殺到し、一躍注目の的に。アラブ系の記者からは「このパフォーマンスでビッグクラブの注目を集めるでしょう。レアル・マドリー、アーセナル、マンチェスター・ユナイテッド……どうですか?いまはフランスのクラブ、モンペリエでプレーしているけれど、もっと大きなクラブに行けるんじゃないか?」と期待をかける質問も向けられた。

 しかし、アルタマリは冷静だった。

「これは個人の努力ではなく、グループでの取り組みの成果なんだ。バックラインのサポートがなければこのパフォーマンスは出せないし、僕が決めたゴールに関しても全体を見ると僕だけじゃない。プレッシャーをかけたのは中盤の選手だったし、なんとかボールを回収することができたんだ」

 ゴールの瞬間についても「こうしたチャンスが来れば、常に恐れずにゴールに向かって走りたいと思っていて、ありがたいことに今日は素晴らしいゴールを決めることができた」と謙虚に振り返った背番号10。ビッグクラブ移籍に際しては「ヨルダンの選手がふさわしい扱いを受けていないのはご存知の通り。試合に出ている11人もベンチの選手もそのチャンスに値する選手だし、ヨーロッパやガルフリーグで彼らと会えることを望んでいるよ」と同僚の存在を立てていた。

 また別の記者からは「あなたはヨルダンの歴史上最高の選手だと思うか」という質問が上がったが、「全くそんなことはない」と断言。「ピッチには11人の選手がいて全員が最高の選手たちだ。ヤザン、アイマド、アルアイワン、11人はみんな僕よりも上手い選手だ。もし彼らがいなければ今日見てもらったようなパフォーマンスはできなかったでしょう。素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた選手たち、そしてテクニカルスタッフに感謝したい」とうやうやしくコメントしていた。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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