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[MVP of Predator]劇的Vのシティ、奇跡を呼び込んだジェコのロスタイム弾

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 6月1日に国内発売されるadidasの最新スパイク「プレデター リーサル ゾーン」。選手のボールスキルを最大限に引き出すというコンセプトのもと開発された最新鋭のスパイクを着用した選手の中から、実際の試合で素晴らしいボールスキルを披露した選手をピックアップする連載企画「MVP of Predator」がスタートしました。第1回はマンチェスター・シティを44シーズンぶりのリーグ制覇に導いたFWエディン・ジェコ選手です。

 奇跡を起こした。1967-68シーズン以来、44シーズンぶりの栄冠に輝いたマンチェスター・シティ。プレミアリーグとなってからは初のリーグ制覇はあまりにも劇的だった。

 得失点差でマンチェスター・ユナイテッドを上回り、首位で最終節を迎えたシティ。勝てば文句なしで自力優勝が決まるQPR戦は「クレイジー」(マンチーニ監督)な試合となった。前半39分にDFサバレタのゴールで先制しながら、後半3分、DFレスコットのミスから同点に追いつかれる。後半10分にはQPRのMFバートンが一発退場。数的優位に立ったはずが、同21分、まさかの失点で1-2と逆転を許した。

 タイトルを争うユナイテッドはサンダーランドに対し、1-0とリードしていた。シティが優勝するには1点では足りない。2点を奪って逆転する必要があった。そんな絶体絶命の状況で投入されたのがFWエディン・ジェコだ。1-2と逆転された3分後の後半24分、MFギャレス・バリーに代わってピッチに入った。

 10人のQPRは自陣深くに人の壁を築いていた。こじ開けるのは簡単ではない。それでも“新兵器”のアディダス社製『プレデター リーサル ゾーン』を着用したジェコは奮闘する。トラップ、ドリブル、パス、シュート……。あらゆるボールスキルの精度を高めるスパイクが、狭いスペース、厳しいプレッシャーの中でのプレーを余儀なくされたジェコの力になった。

 後半33分には左サイドをえぐったFWセルヒオ・アグエロのマイナスの折り返しにニアサイドで合わせる。難しい体勢からの左足のシュートはきっちりとミート。ゴールの枠を捉えていたが、惜しくもGKが足でセーブした。ゴールへあと一歩のところまで迫ると、最後の最後にドラマが待っていた。

 後半もロスタイムに入った47分、MFダビド・シルバのCKに走り込んだジェコがヘディングで捉える。土壇場で生まれた2-2の同点弾。エティハド・スタジアムのボルテージは一気に高まり、終了直前の49分にアグエロが勝ち越しゴールを奪う。ロスタイムの2発で再逆転に成功し、シティがプレミアリーグ制覇を成し遂げた。

「試合時間が残り25分を切って、監督に呼ばれたんだ。『ベストを尽くしてくれ』『試合の流れを変えてくれ』と。そして、それを実現できたんだ」。試合後、ジェコは興奮した様子でまくしたてた。

 奇跡の逆転勝利を呼び込んだ同点弾。ジェコのゴールが決まったとき、スタジアムの雰囲気は一変した。何かが起こることを、その場にいるすべての人間が予感しただろう。主将のDFコンパニは言う。「僕はずっと信じていた。エディン(ジェコ)のゴールが決まったとき、今季は何度もこういうことがあったなと思い出したんだ。信じない理由はなかった」

プレデター リーサル ゾーン』とともに勝ち取った栄冠。シーズン終盤は先発で出場する機会もほとんどなかったジェコが、短い時間で大仕事を成し遂げ、プレミアリーグの歴史に名を刻んだ。

「なんて日だ。なんて言っていいか分からない。クレイジーだよ。残り数分で2点を取って試合をひっくり返した。信じられないシーズンだった。本当に言葉が出ないよ。このチームの一員になれたことを誇りに思う」

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