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ロスタイムの劇的2発でシティが44年ぶりのリーグタイトルを獲得!! QPR戦詳報

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 プレミアリーグは13日、11-12シーズンの最終節を迎え、今季ホームで無敗で首位に立つマンチェスター・シティは、本拠地エティハド・スタジアムに、降格の可能性を残したQPRを迎えた。前半39分に先制したシティだったが、後半開始早々に同点に追いつかれてしまう。さらに一人少なくなったQPRに逆転を許し、攻めあぐねていたシティだったが、後半ロスタイムにFWエディン・ジェコのゴールで同点に追いつくと、さらにFWアグエロが劇的な決勝ゴールを決めて、あまりにも劇的な逆転勝利で、プレミアリーグになって以来、初めてのリーグ優勝を達成した。

 立ち上がりからQPRに圧力をかけるシティは、前半6分に高い位置でアグエロがボールを奪い、中央へパスを出す。FWテベスが空振りしたが、流れたボールをMFヤヤ・トゥレがシュートしたが、ボールは上へ外れて行った。ゴール前を固めるQPRをなかなか崩せないシティは、同11分にMFナスリが遠目からゴールを狙ったが、得点には至らない。

 引き分けで残留の決まるQPRは、堅い守備ブロックをつくり、前線にFWジブリル・シセを残して専守防衛に徹した。QPRは前半23分に。シセが前線でファウルを受けてFKを獲得する。DFタイエ・タイウォが流したボールをシセが蹴り込んだが、ボールはGKジョー・ハートがキャッチした。

 前半25分にはシティが右サイドからの折り返しを中央でアグエロが合わせたが、QPRのDFがブロック。そのこぼれ球をPA外で拾おうとしたMFショーン・ライト・フィリップスがハンドを犯し、シティにFKが与えられたが、MFダビド・シルバのシュートは壁に跳ね返された。同33分にもダビド・シルバがシュートを放ったが、ボールは右に外れて行った。

 それでも歓喜の瞬間が前半39分に訪れる。PA内に侵入したDFパブロ・サバレタが、足を負傷しながらもプレーを続けていたヤヤ・トゥレからパスを受けてシュートを放つ。GKパトリック・ケニーがボールを弾ききれずに、ネットを揺らした。サバレタの今季初ゴールで勢いづいたシティは、同43分にもアグエロがシュートを狙ったが、ボールはGKの正面を突いた。同44分にはプレーを続けていたヤヤ・トゥレがベンチに下がり、オランダ代表のMFナイジェル・デ・ヨングがピッチに入った。

 この時点で優勝を争うマンチェスター・Uは1-0とリードしていた。また、QPRと残留を争っているボルトンは、ストーク・シティに先制を許したが、2点を奪って逆転。このまま試合が終われば、シティが優勝、QPRが降格という状況で前半を終えた。

 後半開始にシティは、左サイドのDFガエル・クリシーがオーバーラップし、クロスを入れる。ゴール前でアグエロが合わせたが、GKに弾かれた。このままシティが攻勢に出るかと思われたが、後半4分にDFレスコットのバックパスがシセの足下に転がる。これを拾ったシセが独走し、ゴールを決めて1-1と試合を振り出しに戻した。このまま試合が終われば、優勝はユナイテッド、降格はQPRという状況に一変した。

 後半6分にCKを獲得したシティは、トリックプレーに出たが、シュートの場面でテベスとデ・ヨングが重なってしまうなど、早くも焦りがうかがえた。しかし、同11分にはMFジョイ・バートンがテベスにヒジ打ちをして、一発退場となる。加えてシティにはPAから数10センチのところでFKを獲得した。テベスのシュートはQPRの選手に当たり、その跳ね返りをナスリがシュートしたが、DFにブロックされる。

 後半14分にQPRはシセを下げて、DFアルマン・トラオレを投入。かつてシティでも指揮を執ったQPRのマーク・ヒューズ監督は、このままのスコアで試合を終えるというメッセージをピッチ内の選手に送ったように思えた。ところが、同20分、QPRが速攻から左サイドをトラオレが突破し、ゴール前にクロスを入れる。完全にフリーになったFWジェイミー・マッキーがヘディングシュートを決めて、2-1とまさかのリードを奪った。

 後のないシティは後半23分、MFガレス・バリーを下げて、長身のFWエディン・ジェコをピッチに入れた。同26分にはCKからカルロス・テベスがヘディングシュートを放ったがGKが弾き出す。その後も決定的なシュートをPA内で放つが、ゴール前にQPRがつくった人垣にボールがことごとく当たり、得点を挙げることはできない。

 後半30分にシティはテベスを下げて、FWバロテッリをピッチに送り込む。QPRはFWボビー・ザモラに代えて、FWジェイ・ボスロイドを投入した。同32分にはアグエロの折り返しを受けたジェコがシュートを放ったが、GKが足で防ぐ。

 後半45分にもバロテッリのヘディングがQPRゴールに向かったが、GKに防がれて同点に追いつくことができない。それでも今季、ホームで負けていなかったシティは、その記録を伸ばした。ロスタイム2分、CKからジェコが打点の高いヘディングを叩き込み、2-2と試合を振り出しに戻した。静まり返ったスタジアムが一気に爆発する。

 そして後半ロスタイム4分、さらなるドラマが待っていた。パスを回すシティは、アグエロからの縦パスを受けたバロテッリが、倒れながらボールをつなぐ。PA内に侵入したアグエロがリターンパスを受けると、トラップで体を寄せてくるDFをかわして、ニアサイドに決勝点を叩き込んだ。

「今日の試合はありえなかった。それでも、サポーターのために優勝できたことが嬉しいよ。こんな形で優勝が決まるなんて思っていなかった。残り5分まで自分たちが勝てるとは思えなかった。それでも、私たちはこのタイトルを得るべくして得た。シティには大きな未来が広がっている」と、マンチーニ監督は胸を張った。


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