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闘病中の神様ペレに並んだネイマール、“天国から地獄”で涙の敗退

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FWネイマール(パリSG)

[12.9 カタールW杯準々決勝 クロアチア 1-1(PK4-2) ブラジル ドーハ/エデュケーション]

 PK戦で後攻に回ったブラジルの4人目、DFマルキーニョス(パリSG)のキックが左ポストに弾かれると、FWネイマール(パリSG)はセンターサークルに崩れ落ちた。バルセロナでも共にプレーしていた39歳最年長のDFダニ・アウベス(プーマス)に手を差し伸べられるまで、しばらくの間、立ち上がることができなかった。

 チームにわずかなスキがなければ、ヒーローになっていたはずだった。

 0-0で迎えた延長前半15+1分、低い位置までボールをもらいに来たネイマールはFWロドリゴ・ゴエス(R・マドリー)とのワンツーで前進を始めると、MFルーカス・パケタ(ウエスト・ハム)ともワンツーを繰り出しペナルティエリアを打開。最後は今大会大ブレイクのGKドミニク・リバコビッチをサラリとかわし、ニア天井のコースにズドンと打ち抜いた。

 ブラジルの2大会ぶり4強入りを大きく手繰り寄せる先制ゴールは、ブラジル代表にとっても大きな意味のあるゴールだった。ブラジル代表通算77点目。同国代表のレジェンドで、現在生命の危機から蘇って闘病を続ける神様・ペレ氏が長年持っていた最多ゴール記録に並ぶ一発だった。

 ところが、チームは延長後半13分、右サイド攻撃が失敗に終わった直後にカウンターの戻りが遅れ、サイド攻撃からFWブルーノ・ペトコビッチに決められて失点。PK戦では日本戦に続けて2度目だったクロアチアに対し、1人目のロドリゴが止められると、4人目のマルキーニョスのキックも枠を外れ、おそらく5人目に控えていたであろうネイマールに順番が回ってこないまま終わった。

 まさに、天国から地獄。大会前のネイマールは「これが最後のW杯になるかもしれない」と語るなど、この30歳でのカタールW杯に並ならぬ決意で臨んでいた。目標は20年ぶりの戴冠ただ一つ。グループリーグ初戦での負傷もなんとか回復し、上り調子で20年ぶりの優勝に突き進んでいた。しかし、最後は自身のゴールで勝利が目前に迫りながらも、PK戦で敗北。志半ばで涙の幕切れとなった。

(取材・文 竹内達也)

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