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20歳俊英DFもなすすべなし…圧巻1G1Aの35歳に敵将脱帽「予期していた真のメッシだった」

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DFヨシュコ・グバルディオル(ライプツィヒ)を抜き去るFWリオネル・メッシ

[12.13 カタールW杯準決勝 アルゼンチン 3-0 クロアチア ルサイル]

 35歳で迎えた5回目のW杯、アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(パリSG)は衰えるどころか、大会を通じて最高のパフォーマンスを見せている。ここまで5ゴール3アシストを記録しており、1大会の3試合でゴールとアシストをいずれも記録したのは、集計が始まった1966年大会から数えて史上初の偉業。そんなエースの活躍に導かれるようにチームの成績も伴い、自らにとって悲願であり続けたW杯制覇の夢にも王手がかかった。

 試合後、メッシは「チーム全体が試される試合になったが、僕たちがどれだけ強いかを証明することができた」と喜びを語った。前半34分には今大会のPK戦で4本のキックを止めていたGKリバコビッチの牙城を破るPKを突き刺し、後半24分には緩急をつけた鮮やかなドリブル突破からFWフリアン・アルバレスのゴールをアシスト。「強い」と称したチームの中心には紛れもなく、背番号10自らがいた。

 中でも圧巻だったのはアシストのシーンだ。今大会で大ブレイクを果たし、今後のサッカーシーンを担っていく期待が寄せられているクロアチアの20歳DFヨシュコ・グバルディオル(ライプツィヒ)を駆け引きで手玉に取った。一度は並走されかかったが、緩急と相手の読みを逆手に取った右足ターンは圧巻。最後はゴールライン際をえぐり切り、ピンポイントのパスでゴールを演出した。

 あまりに鮮やかだった1対1には敵将のズラトコ・ダリッチ監督も「メッシについては多くを語る必要はない」と脱帽。「彼は世界最高の選手だ。今日はとてもいいプレーをしていたし、とても危険な存在だった。われわれが予期していた真のメッシだった」と称賛の言葉を送るしかなかった。

 そうしたメッシの活躍により、アルゼンチンは2014年のブラジル大会以来2大会ぶりの決勝進出を果たした。ディエゴ・マラドーナ氏を擁した1986年のメキシコ大会以来の優勝は目の前。これがおそらく最後のW杯になるだろうメッシにとって、有終の美を飾るための最高の舞台が整った。

「このW杯で僕はとても幸せに感じているし、チームの力になれていると思う」。そんな充実感をのぞかせたメッシは「僕はこの大会をとても楽しんでいる。本当に調子がいいし、どの試合にも立ち向かえる力を感じている」とチームの戦いぶりに自信も示した。

 もっとも何より大きな目標は次の試合にある。グループリーグ初戦サウジアラビア戦ではまさかの逆転負けを喫したアルゼンチンだったが、そこから「全ての試合が決勝戦」という意気込みで5連勝を達成。「決勝戦で5勝することができたし、日曜日の決勝もそうであってほしい」。メッシは静かに18日の決戦を見つめていた。

(取材・文 竹内達也)
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