[8.16 ミズノカップU-18IN熊本2012FINALラウンド 津工1-1静岡学園 大津町運動公園球技場]

　全国の強豪18校が優勝を争う「ミズノカップ U-18 IN 熊本 2012」は大会最終日の16日、FINALラウンドを行い、1位リーグの津工(三重)対静岡学園(静岡)戦は、後半ロスタイムに津工がU-18日本代表FW溝田光(3年)の同点ゴールによって追いつき、1-1で引き分けた。1位リーグは津工、静岡学園、熊本国府(熊本)の3チームで総当りのリーグ戦を行い、優勝チームを決定する。

　今大会で全国高校総体出場の日章学園(宮崎)や名東(愛知)に勝利するなど快進撃を続けている津工が、大会3連覇を狙う静岡学園相手にドローへ持ち込んだ。試合は3年生メンバーで試合に臨んだ静岡学園がポゼッションを取って優勢に試合を進め、MF柴田則幸やMF{瀧崎貢}}(ともに3年)のシュートで相手ゴールを襲う。対する津工はMF小池士(3年)の中央突破からFW小原賄人(3年)がPAへ侵入するなど反撃。ただ静岡学園は前半34分、FW鈴木玲央(3年)が自ら獲得したPKを右足で決めて先制した。

　リードを奪った静岡学園は後半もMF名和太陽(3年)のドリブルシュートなどでゴールへ迫るが、なかなかPAを崩せず、追加点を奪うことができない。逆に小原が前を向いた時に怖さを発揮していた津工は、終盤にエース・溝田が何度か抜け出して静岡学園ディフェンス陣に冷や汗をかかせる。CB伊藤翼(3年)の好守や枠を捉えた溝田の直接FKを弾きだしたGK土屋雅人(3年)の好セーブなどで相手を無得点に封じていた静岡学園だったが、あきらめなかった津工は後半ロスタイムにエース溝田のゴールで同点に追いついた。

　36分、相手の中途半端なクリアボールをPAやや外で拾った溝田が「コースが空いていた。たまたまこぼれてきたのを打っただけ」とすぐさま右足を振りぬくと、ボールはゴール右隅へ。GKも反応することのできない鮮やかな一撃で引き分けに持ち込んだ。

　津工は今回の熊本遠征を15名の少数精鋭で実施。真夏の連戦でタフな試合が続いているが、粘り強い戦いぶりで結果を残し続けている。この日も全国リーグのプレミアリーグを戦う静岡学園に主導権を握られても、ワンチャンスを逃さずに引き分け。小池は「回されたけれど、エリア内からシュートを打たせなかった。粘り強い守備ができたことが良かった。1点に抑えられたことが後半のチャンスにつなげられた」。全国屈指の強豪との引き分けはチームに大きな自信をもたらしそうだ。

　引き分けに持ち込んだことで、1位リーグ第2試合の静岡学園対熊本国府戦の後に行われる第3試合の熊本国府戦は、タイトルを懸けた戦いになった。それだけに小池は「最後なんで倒れるくらいまで走って勝ちたい」。強豪18チームの頂点に立ち、今大会で身につけた自信、実力を確固たるものにする。

(取材・文　吉田太郎)

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