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[選手権予選]“波乱の福島”新鋭が制す!聖光学院が全国大会初出場!!

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[11.3 全国高校選手権福島県大会決勝 聖光学院2-0福島工 開成山陸上競技場]

 第91回全国高校サッカー選手権大会の福島県大会決勝が3日に開成山陸上競技場で行われ、聖光学院が2-0で福島工を下して初優勝を飾った。

 全国大会初出場を決めた山田喜行監督は「実感はわかないが、とにかく嬉しい。学校が強化指定クラブにしてくれて5年目。今年の3年生は優秀な選手が多い。次に何をすべきかということを整理して伝えると、言ったことにプラスアルファのことをできる選手たち。この学年で全国大会に行けなかったら、サッカーの指導者としての力がないのではないかと思っていた」と喜びを語った。

 試合は、晴れ間に小雨が降る奇妙な天気の中で行われた。ゲームに影響したのは、強風だ。序盤から両GKは、バウンドボールの処理に気を配った。試合の立ち上がりは、風下の福島工がボランチを務める石井亮太主将が左右にロングパスを散らし、菅野知弥と清野大樹の2トップを走らせて攻勢に出た。

 しかし、聖光学院は徐々にペースを奪還。主将でトップ下に入る後藤一真のキープで時間を作り、右MF菅島竜斗の突破などでチャンスを作った。そして、福島工業のCB松本慎之介が負傷で一時的にピッチを離れた前半終了間際、聖光学院は左サイドに流れた後藤がゴール前へ浮き球のパス。長身FW小西尚輝の背後からボランチの幕田晟人が飛び出し、ヘディングシュートを決めて先制点を奪った。

 さらに後半の立ち上がり、6分に左CKで後藤のセンタリングからCB野崎祥太がファーサイドでヘディングを合わせて追加点。試合の優位を確実な物にした。終盤、福島工は松本のロングスローやCB岩崎俊樹の攻撃参加で猛攻を仕掛けたが最後までゴールを割ることはできず、聖光学院が完封勝利で全国切符をもぎ取った。

 一見すれば波乱の結果だ。下馬評では昨年度の全国ベスト4で県大会3連覇を狙う尚志が大本命。プリンスリーグ東北1部で3位となった富岡が対抗だった。しかし、富岡は準々決勝で平工にPK戦の末に惜敗。尚志の優勝が確実視されたが、準決勝で延長戦の末に3-4で福島工に敗れて姿を消した。しかし、聖光学院はこの優勝で満足するつもりはない。県内では新興勢力として認められているものの、全国ではまだ無名の存在だということを認識している。2点目を決めた野崎は「全国大会は集大成。昨年度は尚志が良いところまで勝ち進んだけど、それを越えていきたい。聖光学院もいると全国に示したい」と抱負を語った。野球の強豪として知名度のある聖光学院だが、サッカー界でも旋風を巻き起こす可能性は十分だ。

(取材・文 平野貴也)
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