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日本一・鵬翔2選手が欧州遠征メンバー生き残りへ「やるしかない」

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[2.10 練習試合 日本高校選抜候補4-3専修大]

 日本一チームの代表としての意地がある。日本高校選抜候補合宿が9日にスタートしたが全国高校選手権優勝の鵬翔高(宮崎)から選出されたのはGK浅田卓人(3年、写真)とMF小原裕哉(2年)の2人だけ。高校選手権の大会優秀選手には6人が選出されていたが、今年から選抜方式が代わり、全国大会出場チーム以外からも高校選抜候補が選ばれた今回、高校ジャパン入りすることは優勝校の主力選手たちにとっても難しいものとなっている。2人のみの参加についてはそれぞれが悔しい思いを持っているが、今はそれをピッチ上でぶつけるだけだ。「みんなからは絶対に残れよ、頑張れよと。やるしかないです」と浅田。小原は「あとの4人の分も背負っていく」と誓った。

 この日約40分間プレーした浅田は「自分の特長である、守から攻へつなぐところと、クロスのキャッチを出していく。きょうはあまり出番が少なかったんで特長を活かすことはできなかった」。GK4人のうちで欧州遠征メンバーに残るのはほぼ2人。全国大会終了後はテレビ局の生中継に参加するなど慌ただしい毎日で身体を動かすことができていなかった。それもあってか、本人は「(他のGKは)みんな上手いんで、自信はなくはないんですけど…、いや、ないです」と弱気も。それでも日本一で自分自身に自信を得たという守護神は、チームの代表として絶対に欧州遠征メンバーに生き残る。

 一方、小原も2日間のプレーについては「自分的にはまだまだ。自分のパフォーマンスを全面で出せていない。自分の特長であるパスの精度とか、スルーパスとかセットプレーのところがまだ出せていない」と首を振る。視野の広さを活かしたパス出しに加え、インターセプト、攻防戦でも奮闘しているが納得いくレベルには達していないようだ。「(中盤は)タレントが揃っている。自分は十分にアピールできていない。あしたが勝負だと思います」と気を引き締めていた。

 日本代表MF中村憲剛に憧れるMFは1月に練習試合で川崎Fと対戦。同じ時間帯にピッチに立つこともできて刺激を受けた。「スルーパス凄かったです。反転しながらスルーパスを出したりしていた」。全国制覇で目線を引き上げているMFは、憲剛と同じようにプロで活躍できる選手を目指して1日1日に取り組んでいく。まずは目の前の競争を勝ち抜くこと。高校選抜入りを果たして、自分の可能性を広げるつもりだ。

(取材・文 吉田太郎)

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