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沖縄県内4冠!39連勝!自分たちのスタイル貫く那覇西が全国挑戦

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 冬の高校日本一を懸けた全国大会開幕(12月30日)まであと5日! 最南端・沖縄県の代表校は、新人戦、夏の全国大会予選、県1部リーグ、そして今大会予選と今年沖縄県内4冠、公式戦39連勝の偉業を成し遂げた那覇西高校だ。
 
 05年の夏に沖縄県勢初となる全国大会準優勝を成し遂げるなど全国でもインパクトを残してきた強豪が国立4強、そして全国制覇を目指して関東へ乗り込む。対人プレーが非常に強く、左足から好フィードを連発する大黒柱・CB徳元悠平主将(3年)は「(新チームがスタートした)昨年の10月、最初に全国制覇と県内では不敗神話という目標を決めていた。不敗神話という目標は実現できたので、あとは全国。上を見過ぎず、でも優勝も狙いつつ、一戦一戦全力で臨むだけだと思います」と力を込めた。

 就任3年目の玉城真哉監督の下、今年の那覇西はテクニカルなサッカーを展開する。自陣から丁寧にボールをつなぐパススタイル。左足でゲームをコントロールするMF山内駿や鋭いドリブルなど個人技で違いを生み出すMF新城太貴、県決勝で右SBを務めた宮城良壽(全て3年)を中心としたパスワークで相手の守備を広げ、打開し、切り崩す。また徳元や12年U-16日本代表候補のCB上原勘七(2年)、左SB安里駿汰(3年)と一本のパスで局面を変えることができる最終ライン。ボール扱いに長けた選手が前線から守備陣まで揃っているだけに、全国大会でも面白いサッカーをしてくれそうだ。

 玉城監督は県内39連勝を成し遂げた選手たちについて「凄かったと思います。リーグ戦は最後に点を取ったり、調子が悪い時も耐えてよく頑張った」と賞賛。さすがに39試合もあれば、引き分けたりする試合があってもおかしくなさそうだが、今年の那覇西は苦しい試合も全て勝ってきた。今大会の県予選準決勝でゴールを決めているSB外間悠也(3年)は「最初から決めていた目標に向かって一人ひとりが高い意識を持って戦っていた。チーム力の強さだと思います。接戦とかの試合でも引き分けではなく、勝てるチームになった」と胸を張る。

 「負けない」という目標を上回り、県内全勝という金字塔を成し遂げたチームは、不安を乗り越えてたくましくなった。夏の全国大会予選。2月の新人戦決勝を6-0で制すなど絶対的な優勝候補筆頭として臨んだ那覇西だが、そのサッカーはいつもと違った。結果にこだわるあまり、自然とロングボールや練習していないようなプレーが増え、自分たちらしさを見失っていた。選手から「負けるのが怖かった」という言葉を聞いた玉城監督は「(君達は)部員100名の代表の20名。これで負けた時に『怖かったから』というチームになってはいけない」と説いたという。選手たちの意識が変わったのはここからだった。仲間たちと練習してきたことを、チームの代表選手である自分たちがピッチの上で表現しなければいけない。那覇西のサッカーをして勝つ。その思いが自分たちのパススタイルを磨き上げ、苦しい試合を乗り切る力にもなり、今回、夢舞台への切符も掴ませた。

 MF中川貴友樹(2年)は「中学校、高校と国立に立つことが夢でした。夢舞台に行けることでワクワクする。沖縄の特長は粘り強さ。最後の踏ん張る力を見せて行けたらいいと思います。沖縄としての意地を全国で見せていきたいと思います」と誓い、人口約1,400人の伊平屋島から那覇西へ進学した俊足FW金城貴大(3年)は「島の人達には感謝の気持ちでいっぱい。恩返しになるか分からないですけど、テレビにいっぱい映ったり、点を決めて小さな小さな島からでもできるところを見せたい。全国にアピールしたいです」と力を込めた。支えてくれた人々への感謝、そして沖縄代表の誇りとともに戦うつもりだ。

 沖縄の“無敵艦隊”はadidasのフットボールスパイク『サンバ コレクション』シリーズとともに全国へ臨む。「チームの武器はキミの個性だ」をコンセプトに準備された4つのプレーヤータイプに合わせたモデル「アディゼロ F50」「プレデター リーサルゾーン」「ナイトロチャージ」「パティーク 11 プロ」。12月某日、同校を訪れたadidas Japanスタッフから、それぞれが持つスパイクの特性を聞いた選手たちは自分の足に合い、自分の長所をより引き出してくれる武器を探すため、『サンバ コレクション』シリーズをトレーニングでテストした。

 那覇西で特に人気だったのが、日本で開発され、世界へ発信されている新モデル「パティーク 11 プロ」。日本代表DF今野泰幸が「足が地面をつかむような感覚があるんです」と絶賛していたスパイクについては、徳元が「かかとがフィットして動きたいように動ける」と言うようにフィット感にこだわる選手たちの絶大な支持を受けていた。また軽さを求めるプレーヤーがadidas史上最軽量の高速スパイク「アディゼロ F50」を手にし、技巧派のプレーヤーがボールコントロールに違いを生み出す「必殺5ゾーン」を持つ「プレデター リーサルゾーン」、運動量やハードなプレーでチームを助けるダイナモたちが「ナイトロチャージ」をそれぞれ選択。那覇西は公立校のため、土のグラウンドを他の部活動と共有するなど練習環境は決して恵まれていない。その中で彼らはわずかな照明の中でほとんどボールが見えなくなるまで『サンバ コレクション』ともに走り続けていた。

 自分たちの力で不安を取り除き、沖縄でひとつの歴史を築いた彼らは『サンバ コレクション』とともに全国でも自分たちサッカーの色を表現する。外間は「(冬の全国大会は)自分らの入学した時からの目標。最後、いい結果で終わらせたいではなく、終わらせるようにする」。先を見過ぎることはせずに一戦必勝。恐れること、逃げることはもうしない。那覇西スタイルで一歩ずつ階段を登っていく。

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(取材・文 吉田太郎)

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