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[関東大会予選]栃木県内公式戦13連勝、トーナメント戦は9試合連続完封の佐野日大、目標は「全国制覇」

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[5.10 関東大会栃木県予選準決勝 佐野日大高 5-0 足利工大附 壬生町総合公園陸上競技場]

 平成26年度高校サッカー関東大会栃木県予選は10日、準決勝を行い、新人戦優勝の佐野日大高は足利工大附高に5-0で快勝。6年ぶりの関東大会出場を決めた佐野日大は11日の決勝で矢板中央高と対戦する。

 14年の公式戦は栃木県1部リーグを含めて13戦全勝。加えてトーナメント戦(新人戦、関東大会予選)では9試合で未だ失点ゼロと佐野日大が快進撃を続けている。今大会、毎試合数人を入れ替えながら戦う佐野日大はこの日もMF小野智史(2年)とMF塚本直純(3年)のダブルボランチなど主力6人を温存しながらも5-0で快勝。登録25人全員を使い、「Bチームの選手層を厚くしたい。トーナメント戦ではゼロにこだわっている」という斉藤芳幸監督の下、狙い通りに白星を重ねている。対外試合でも結果を残している佐野日大は3月の第5回アンダーアーマーチャレンジカップ決勝ではU-19韓国代表3選手を擁する韓国王者・彦南高を1-0で撃破して優勝。手ごたえもあるからこそ、目標値は高い。斉藤監督は「守備は(選手権16強の)2年前と同じくらいですし、攻撃力ははるかに上。今年は全国(の頂点)を狙いたい」と明言し、10番FW櫻田亮太(3年)が「チームの目標は全国優勝です。みんな自信ついてきている。今回関東1位になって、次のインターハイにつなげていきたい」と語るように非常に高い目標を口に出して強化を進めている。

 準決勝は佐野日大が序盤から圧倒的にボールを支配。4分にMF津布樂飛雅(3年)の左クロスからMF磯貝瞭(3年)が決定的なヘディングシュートを放つと、6分には左サイドで1人交わした津布樂の強烈な右足シュートがゴールを襲う。そして13分、左サイドの津布樂がPAへ入れたボールはDFがクリアしたが、これに反応したMF石塚陽兵(3年)が右足ダイレクトをゴールへ突き刺すファインショット。先制した佐野日大は直後にも磯貝の右クロスから櫻田が決定的なヘディングシュートを放つと、26分にはMF宇津木峻(3年)のループパスを引き出した櫻田がコントロールから間髪入れずに放った左足ループシュートでゴールネットを揺らして2-0とする。

 2試合連続完封勝利で4強まで勝ち上がってきた足利工大附もキャプテンマークを巻いたDF簾谷航平(3年)を中心とした3バックが奮闘。左DF仲松ヒロシ(3年)やGK大美賀渉(2年)の身体を張った守りなどゴール前で執念を見せて、強豪に食い下がる。そしてMF吉原隼加(2年)の強烈な左足FKや左MF飯塚惇平(3年)、FW入澤直矢(2年)のドリブル突破などで反撃した。ただカバーリングのいいDF國西達也主将と高さのあるDF永見廉(ともに3年)の両CB中心に守備に絶対の自信を持つ佐野日大は後半の被シュートゼロ。逆に後半17分、スルーパスで抜け出したMF末岡北都(2年)が3点目を決めると、直後にはGK齊藤樹(3年)のパントキックで抜け出したMF菱田文人(3年)がGKとの1対1を制して4-0とする。そして25分には右サイド後方からSB片倉佑基(3年)が出したクロスボールで抜け出した末岡の左足シュートがDFのオウンゴールを誘い、5点目。足利工大附は磯貝のループシュートをDFがスーパークリアで阻止するなど最後まで諦めない戦いを見せたが、後半もメンバーを大きく入れ替えて戦った佐野日大が余力を残して決勝へ進出した。

 本来CBの宇津木と石塚のアイディアのあるパスや本来右サイドが主戦場という左MF津布樂の突破力などを交えて攻め、エース櫻田も決めて快勝。ただメンバーを入れ替えている影響もあってか、ボールを圧倒的に握りながらもややアタッカー陣の動きが少なく、単調となった攻撃を相手に守られている時間帯もあった。それだけに斉藤監督は「高校サッカーではこれだけという攻撃では抑えられてしまう。オープンを狙いながら、中から崩したり、多彩な攻撃をすることが必要」と語り、國西も「(周囲の評価は)強いと言ってもまだまだやらないといけないことがある。点数が取り切れない。きょうも外しているシーンが多いのでそこはチームとしての課題」と引き締めた。

 課題を突き詰め、高い目標へ向けて一戦一戦白星を重ねながら自信をつけていく。國西は「自分たちは強い相手も何だかんだ勝負で勝ち切るところがある。関東に行ってどのくらい通用するのか、それを楽しみにしています。去年は全てのタイトルを落としてしまって凄い悔しい思いをしたので、これからまとまって、一つになって、全ての大会、県内では取れるようにして、全国でもいい結果を残して頂点を目指していくということが目標」。今大会決勝の対戦相手は2月の新人戦で3-0と快勝しているライバル・矢板中央。再びねじ伏せて強さを示すことができるか、注目だ。

[写真]前半13分、佐野日大はMF石塚が右足ダイレクトでシュートを決めて先制

(取材・文 吉田太郎)

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