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[プレミアリーグ参入戦]4度目の正直狙う磐田U-18が苦しみながらも3発勝利

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[12.11 高円宮杯プレミアリーグ参入戦1回戦 米子北高 0-3 磐田U-18 Eスタ]

 高校年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯U-18サッカーリーグ2015 プレミアリーグ参入戦は11日に1回戦を行い、米子北高 (中国1、鳥取)とジュビロ磐田U-18 (東海2、静岡)が対戦。前半19分にFW山下諒也が奪った先制点を皮切りに3点を記録した磐田が3-0で勝利した。

 4度目の正直を目指す磐田が、苦しみながらも力強く、勝利を手にした。序盤はこう着した展開に。「蹴ってくる相手に対し、喰らい付いて守りながら、ある程度クサビのボールを入れて、背後とサイドチェンジを意識させたけれど、思っていた以上に相手の跳ね返す力があって、浮き球の処理も上手かった」(田中誠監督)という磐田に対し、米子北も「入りから前半の真ん中まで本当によくなかった」と城市徳之監督が口にしたように、チームとして狙った右サイドからのクロスがほとんど上がらず。持ち味である、ロングボールを相手DFめがけて蹴りだしても、「うちの特徴を研究されていた。18番の子(MF伊藤洋輝)をDF前に余らせることで、セカンドボールを拾って、繋がれてしまった。あそこで、拾えなければうちの形ができない」(城市監督)という状況だった。

 両者、決定打が生まれない中、試合の流れを大きく左右したのは前半19分だった。磐田が右前方に展開したボールは、米子北のDFが処理されてしまったが、FW山下が奪い、素早く前進。思い切り良くゴールを狙った一撃がクロスバーに当たりながらも、ゴールラインを割って先制点となった。以降は米子北のサイド攻撃に手を焼き、45分にはPA左外で与えたFKから、MF小長裕也にゴール前への飛び出しを許したが、DF陣が落ち着いて対処。「気持ちが楽になった状態で、前半を終われたのが良かった」(田中監督)と磐田は悪いなりに上手く後半に繋げた。

 後半に入ってから見せ場を作ったのは磐田のFW立川嶺。「身体を張って前に行く力が彼の持ち味」(田中監督)を発揮し、前にボールを運びつつ、前線の起点になった。後半5分には立川が右を仕掛けてクロスを展開。一度は米子北DFにクリアされたが、MF大西遼太郎が高い位置で拾って、再び立川が右サイドから浮き球をゴール前へ。反対サイドの山下が頭で合わせたが、枠を捉えることができない。9分にも再び、右から好機を演出。中盤の右でボールを持ったDF中村陽太がPA右にスルーパスを入れると、走り込んだ立川がシュートをゴール左隅に突き刺した。

 45分にも、高い位置でボールを奪った山下がドリブルでGKとの1対1に持ち込み、3点目をマーク。田中監督が「一発勝負の大舞台では思い通りのサッカーはできない。結果は紙一重。うちが流れ良く得点を重ねただけで、立ち上がりにカウンターでやられていたら、結果は逆になっていたかもしれない」と振り返ったように、決して楽な展開ではなかったが、きっちり勝利を手繰り寄せ、プレミアリーグ昇格に王手をかけた。

「この大会は、やってきたことの集大成の場。この一年、やってきたことの成果が出る。クラブユース、Jユースと全国で通用しなかった所を改善し、結果を出すように伝えました」。田中監督がそう振り返ったように、磐田としては結果が欲しい大会だ。プレミアリーグ参入戦としても、ともに初戦で涙を飲んだ2011年、2012年、2013年に続く4度目の挑戦。今回こそという想いは強く、「後輩たちのためにも、一段上のレベルに上げたい。プレミアって肩書きだけでも、全国大会に出た際に周りが『お!』ってなる。エスパルスやグランパスと試合をしても、余裕を感じたし、アイツらからは自信を感じた。プレミアにいるだけで『やらなきゃいけない』って意識も生まれてくると思う」と立川は話す。次の神戸弘陵高(関西、兵庫)戦でも、目指すは勝利のみ。4度目の正直を果たせるか、期待したい。

(取材・文 森田将義)
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