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[新人戦]地元開催の全国総体が大きな目標、2年連続全国8強の広島皆実が大社に6-0快勝:中国

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[3.19 中国新人大会1回戦 広島皆実高 6-0 大社高 広島皆実高G]

 第8回中国高校サッカー新人大会が19日、広島県内で開幕。地元・広島第1代表の広島皆実高大社高(島根2)との一戦は広島皆実が6-0で快勝した。広島皆実は20日の準々決勝で西京高と戦う。

 今年、地元・広島で開催される全国高校総体、そして全国高校選手権での上位進出、日本一を目指す広島皆実が好スタートを切った。ボールを奪ってから素早く攻撃に移し、10番FW片岡永典(2年)、FW遠藤翔太(2年)、MF藤井敦仁(2年)の前線3人を中心に上手くスペースを活用して攻める広島皆実に対し、大社はポゼッションで相手を動かしながら攻めると、MF持田大輝(2年)らの1タッチのラストパスや10番MF田中成一(2年)の突破などで相手の守りを切り崩そうとした。互いにシュートチャンスをつくり合って迎えた前半17分、広島皆実が先制する。MF門廣大雅(2年)が上げたストレート軌道の左CKをDF2人の間へ飛び込んだ片岡が頭でゴールネットへ突き刺した。

 この日、指揮を執った仲元洋平部長が「(選手権の)全国大会が終わって、すぐに始まった県新人で優勝したことが自信になっていると思う」と評する広島王者は一気に畳み掛ける。18分、藤井とのワンツーで左サイドを突破した遠藤が鮮やかな右足コントロールショットを逆サイドのゴールネットに沈めて2-0。28分にも中盤での鋭い突破でDFを振り切った藤井が一気に前進する。そして左足で出されたスルーパスに反応した片岡が、DFとのコンタクト勝負を制してそのまま右足で3点目のゴールを流しこんだ。

 後半立ち上がりは攻守の切り替え速く、セカンドボールを拾った大社が押しこむ時間が続き、相手のクリアミスを拾ったMF青木亮輔(2年)の左足シュートなど得点機もつくる。だが、サイドまでボールを運んでもCB有働周平主将(2年)が「最後身体を張ることを徹底して、意地でも決めさせない、シュートを打たせないことを徹底していました。身体張るのを得意な3人が今、3バックをやっている。守備ではゼロというのを当たり前にしたい」という広島皆実DF陣の前にクロスを通させてもらえず。守備意識高く、準備よく守る広島皆実の前に大社はシュート数を増やすことができない。逆に17分、広島皆実は左サイドを破ったMF安原修平(2年)のラストパスを藤井が押し込んで4-0。大社も左サイドを崩してSB森田大貴(2年)が決定的なラストパスを入れるシーンがあったが、広島皆実DF小林拓真(2年)にクリアされてしまう。

 広島皆実は27分にも交代出場のMF清水大樹(1年)の折り返しを同じく交代出場のFW赤川誠(2年)が決めて5点目。さらに終了間際には左サイドを抜けだした赤川のクロスを藤井がダイナミックなヘディングシュートで叩きつけて6点目を奪った。また、仲元部長も「失点ゼロにこだわっている」と語ったように、堅守・皆実の本領を発揮する無失点勝利。昨年、一昨年の全国高校総体で8強入りしている広島皆実が快勝した。

 広島皆実の選手たちにとって地元開催される全国総体は入学前から意識していた大会だ。だが、前評判の高い瀬戸内高、ライバル・広島観音高などとの争う広島県予選を勝ち抜かなければ全国大会へ進むことはできない。有働は「このインターハイは2校出れるんですけど、(県大会で)優勝しなければ意味が無いと思っている。まだやられる隙がある」。GK對川敦紀(2年)を中心に安定した守備、そして注目MF藤井ら前線やサイドアタッカーたちが繰り出す鋭い攻撃など武器があるだけに、新人戦の戦いを通して成長を遂げて、厳しい戦いを勝ち抜くチームになる。

[写真]前半28分、広島皆実FW片岡がこの日2点目のゴールを決める

(取材・文 吉田太郎)

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