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[新人戦]打ち合いは4-3で決着!広島観音が山陽との延長戦制して中国3位に

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[3.21 中国新人大会3位決定戦 山陽高 3-4(延長)広島観音高 広島皆実高G]

 第8回中国高校サッカー新人大会3位決定戦が21日に行われ、広島観音高(広島2)が延長戦の末、4-3で山陽高(広島3)に勝利。3位で大会を終えた。

 前日の準決勝から山陽が先発の半数、広島観音も7人をチェンジして臨んだ3位決定戦。体力面の考慮に加え、新たな可能性を探ることにも主眼を置かれた試合は打ち合いとなった。広島観音は前半6分、MF吉形淳之介(2年)の左アーリークロスでDFの背後を取った右MF山田友貴(2年)が右足で先制ゴール。直後の7分には左オープンスペースへ抜け出したMF岡本大河(1年)のクロスを180cmFW小坂将太(2年)が頭で合わせて2-0と突き放す。

 判断良くボールを捌いていた岡本やMF永本瞬也(2年)、またテクニカルなFW小坂が中央で受けながらボールを動かす広島観音は個々のキープ力とショートパスの質が高く、ボールロストが少ない。対する山陽も見つけたスペースへボールを運びながら反撃。なかなかパスの出し手と受け手の呼吸が合わず、精度を欠くシーンもあったが、28分にはMF中野涼風(2年)のスルーパスを引き出したDF小岩拓が得点機を迎え、31分には小岩のパスからDFを振り切った10番MF三木寛裕(2年)が決定的な右足シュートを打ち込む。
 
 後半開始から2人を入れ替えた山陽は6分、中盤でインターセプトした三木が右のスペースへパスを入れると、走りこんだMF筑本翔悟(2年)がクロス。これをFW山本貴義(2年)が左足で押し込んで1点を返す。だが広島観音は9分、吉形が右サイドのゴールライン付近でボールを奪い返すと、永本のシュート性のボールをゴール前の小坂がコースを変えて3-1とする。

 この後は広島観音がDF芝田大輝(2年)中心に試合をコントロールしていたが、山陽は注目エース・三木の活躍で同点に追いつく。21分、交代出場のMF天野駿太(2年)のスルーパスを広島観音守備陣が譲り合ってしまう。抜け目なくボールを奪った三木がそのまま左中間を縦へ抜け出し、左足シュートをゴールへ流し込んで1点差。さらに22分、山陽は左中間でFKを獲得すると、これを直接右足で狙った三木がゴール左下隅に沈めて3-3とした。

 後半終盤は互いに決定機をつくり出すも決め手を欠いて延長戦へ突入。その前半4分、山陽は三木のヒールパスからMF古谷諒太(2年)が左足を振りぬき、5分には巧みな切り返しでDF2人をかわした三木が決定的な右足シュート。さらに6分、8分にも三木がスピードとテクニックを駆使して最終ラインを突破し、決定的なシュートを打ち込む。だが広島観音はGK桜井亮吾(2年)が4連続ビッグセーブ。これで失点を免れた広島観音は10分、MF神垣太輝(2年)が左サイドからカットインしながらパス。これを右中間で受けた吉形が右足シュートをゴール左隅へねじ込んで4-3で競り勝った。
 
 3位となった広島観音のMF永江優介主将(2年)は「自分たちは中国大会1位を狙っていたので結果としては悔しいですね」。それでも3位決定戦では主軸の永江や10番MF森重輝(2年)、FW神車凱海(2年)らが先発を外れた中でもボールを繋いで攻め続けた。以前は前からのディフェンスに重きを置いていた広島観音だが、体力面も考慮して自分たちがボールを握るスタイルへシフト。今年は中盤をドリブルで破ることのできる選手も多く、ドリブル、ショートパスを主体とした力のあるチームになってきている。

 内田仁監督は4試合を戦った中国新人大会について「今回、延長まであったから色々な選手が使えたし、3-5-2もやったし、3-6-1もやったし、中盤4枚の2トップもやったので色々な形ができて良かったですね」と評し、「もう一回底上げしたい」。そして永江は「攻撃の部分で得点が必要。チャンスを決め切ること、また今大会毎試合失点しているので失点しないようにしたい。練習からしっかり身体の向きとかゲームを意識してやっているので、中盤でもっとドリとかで運べたらチャンスが増えると思います。バックから中盤で受けるパスで相手を背負ってのパスは怖いと思う。でも相手がおっても受けれるというメンタリティとか、それを掻い潜ってドリで運んだり、前へ展開する力が必要になってくる」。ミスから連続失点したり、決定力を欠いた部分は反省点。強みである中盤のレベルアップも必要だ。ショートパスの強さ、精度などより高めて、全国で戦えるチームを目指して日々取り組んでいく。

[写真]広島観音FW小坂は貴重なゴールを決めるなど前線で健闘した

(取材・文 吉田太郎)

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