beacon

[ミズノカップIN香川]攻撃を意図的にスピードダウンして、回して追加点!広島観音が狙い通りの展開で勝利

このエントリーをはてなブックマークに追加

[3.29 ミズノカップIN香川予選リーグBパート第1節 広島観音高 2-0 桃山学院高 瀬戸大橋記念公園球技場コート3]

 全国の強豪16チームが優勝を争う第4回ミズノカップU-18 IN うどん県(香川)2016予選リーグBパート第1節で広島観音高(広島)と桃山学院高(大阪)が対戦し、広島観音が2-0で勝利。目標の優勝へ向けて好スタートを切った。

 昨年の総体予選、選手権予選で準優勝だった広島観音と総体大阪府予選決勝リーグで2勝を挙げながら得失点差に泣いて3位に終わった桃山学院。ともにわずかな差で全国を逃した両校の対戦は広島観音が勝利した。181cmFW伊藤夢基(新3年)とFW黒川修平(新2年)が前線でボールをおさめ、それを追い越す形でMF谷本圭郁斗(3年)やMF宮先弘登(新2年)らが飛び出す桃山学院に対し、広島観音は本来、MF永江優介(新3年)やMF森重輝(新3年)を軸に技術の高い中盤がボールを動かして攻めるが、硬いピッチでの試合となったこの日はリスクを避ける形でやや長いボールが増えてしまっていた。

 それでも永江や森重がシュートへ持ち込むなど攻める広島観音は後半14分、交代出場のFW沼田和真(新3年)が鮮やかにDFをかわして中央へ切れ込むと、最後は右足で先制ゴール。反撃する桃山学院に対し、広島観音はボールを奪うと、攻め急ぐことなく意図的に攻撃をスローダウンさせて試合をコントロールさせる。時にMF新見俊樹(新3年)がドリブルで運ぶシーンもあったように突破も見せつつ、ボールを横へ動かして相手の隙を狙った広島観音は25分にDFの背後へ飛び出した160cmのハードワーカーMF吉形淳之介(新3年)がPKを獲得。これを自ら決めて2-0とした。

 広島観音の内田仁監督は先制した後に失点せず、試合をコントロールしながら2点目を奪い勝ち切ったことを評価する。「ゲーム1試合通してオフェンスで攻めれていてもああいう状況で蹴られて失点している。怖いから蹴るのではなくて、回して。スピードダウンしていい選手を使う。きょうは意図的なことができたので追加点が取れた」と頷き、沼田も「攻めすぎてカウンターもありうるので一回落ち着いて。チャンスがあればもう1点取るという意識をもっていたから失点することなく追加点を取ることができた」と胸を張った。

 一昨年までは高い位置に早めにボールを入れ、そこからガツガツと奪いに行くサッカーを展開していた広島観音。だが、そのサッカーが体現できる選手たちが卒業したことから、昨年からはボールを大事に握って攻めるサッカーへ変更してきた。内田監督は「今年はゼロからじゃない。去年結構2年生出とったし、積み重ねていけるのかなと思う。ゲーム通して攻められる時間帯もあるし、ボールが落ち着かない時間帯もある。それをどう変えていけるか」。3位に終わった中国新人戦の課題を修正してまた一歩成長。チームとして着実に積み上げてきている広島観音は「今年はしっかりと結果にこだわって、どの試合でもしっかり勝って優勝を目指している」(沼田)という目標をまずは今大会で果たす。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
第4回ミズノカップU-18 IN うどん県(香川)2016特集ページ

TOP