[近畿大会]3位続きのチームがついに頂点へ。大阪桐蔭が京都橘との延長戦制し、2年ぶりV!
[6.19 近畿高校選手権決勝 大阪桐蔭高 1-0 京都橘高 上富田スポーツセンター]
「第70回近畿高校サッカー選手権大会」の決勝が19日、上富田スポーツセンター(和歌山)で行われ、大阪桐蔭高(大阪3)と京都橘高(京都1)が対戦。延長後半9分にFW菊井悠介(3年)が決めたゴールよって、大阪桐蔭が1-0で勝利し、2年ぶり3回目となる近畿王者に輝いた。
残りわずかな時間で2点を奪って逆転勝利をおさめた準決勝の東海大仰星高戦に続き、決勝でも大阪桐蔭が劇的勝利おさめた。対戦相手の京都橘はプリンスリーグ関西の開幕戦で対戦し、1-5と大敗した相手。リベンジへの意気込みも強かったが、「決勝進出に満足したのか、立ち上がりは良くなかった」と主将のMF西矢健人(3年)が振り返ったように、序盤は自陣から幅を使ったパス回しで主導権を握りながらも、フィニッシュまで持ち込めず苦しんだ。
一方の京都橘も、司令塔のMF梅津凌岳(3年)、左SBの河合航希(3年)を起点にボールを動かしつつ、機を見てはCB松下廉(3年)らDF陣からのロングボールでFW輪木豪太(3年)の飛び出しを引き出したが、桐蔭同様にシュートまで至らず両者、無得点で前半を終えた。
後半は一進一退の展開が続いた。開始早々のチャンスは京都橘。松下のロングフィードから輪木がゴール前に抜け出したが、大会が行われた上富田町出身の大阪桐蔭GK藤本諒哉(3年)が身体を張ってストップ。以降も京都橘の時間帯が続いたが、「こういう展開になるのは予想していたので、攻撃が点を獲ってくれると信じて集中を切らさないように意識していた」と振り返る藤本を中心に、落ち着いた守りでゴールを譲らない。
大阪桐蔭も6分に、MF北田ダイア(3年)の強烈なミドルシュートでゴールを狙ったが、GK清水椋太(3年)に阻まれるなど1点が奪えないまま、後半が終了。試合は延長戦に突入した。スコアが動いたのは、PK戦目前の延長後半9分。右サイドを抜けた北田がクロスを入れると、ゴール前で味方が反応。競り合ったこぼれ球をFW菊井悠介(3年)が押し込み、大阪桐蔭が先制すると、直後にタイムアップの笛が響いた。
主将の西矢を筆頭に要注目ストライカーのFW今岡陽太(3年)など実力者が揃う今年の大阪桐蔭だが、新チーム結成以降はフェスティバルなどで上位争いをしても、3位で終わる大会が続いていた。「3位という成績って難しく、選手たちは落ち込むわけでなく、変な自信になっていった」と永野悦次郎監督が振り返るように、“俺たちはできるんだ”という過信が仇となり、全国総体の府予選も4強入りを果たしながらも、3位に終わり、全国総体出場権を掴めず。3年生のみで挑んだ今大会は、「3位ばかりと言われて悔しい想いをしていたので、“見返そう、ここでやってやろう”と思っていた」(西矢)。
3日で4試合をこなすタフな日程を勝ち抜き、「トーナメントに強くならないといけない」(永野監督)という課題を克服すると共に、「府総体ではどこか欠けていたようにように思う」と藤本が口にする一体感を得たことも収穫と言える。
今大会は、登録メンバー全員で白浜にあるアットホームな民宿に宿泊。「目の前にある砂浜で、皆でワイワイしながらトレーニングができたし、女将さんも凄く良い方で良いおもてなしもしてくださり、ご飯も美味しかった。泊っている間にチームが一つなって、良い雰囲気になれているなと感じた。優勝という肩書に加えて、チームが勝つために大事な他の部分を高めることができた」(藤本)。
ブロンズ続きだったチームが、念願だったゴールドのメダルを掴んだが、ここで終わりではない。狙うのは、あくまで日本一だ。「全国に出なくてもやれるということが証明できたと思う。ただ、これで満足したら終わり。冬(選手権)は1チームしか全国に出られないのでそこを目指したい」と西矢が話せば、藤本も「冬は絶対に全国に出て、応援してくださる上富田の人たちのためにも成長した姿と感謝の気持ちを見せたい」と続けたように、近畿王者の称号を足掛かりに選手権出場を狙う。
(取材・文 森田将義)
●【特設】高校総体2017
「第70回近畿高校サッカー選手権大会」の決勝が19日、上富田スポーツセンター(和歌山)で行われ、大阪桐蔭高(大阪3)と京都橘高(京都1)が対戦。延長後半9分にFW菊井悠介(3年)が決めたゴールよって、大阪桐蔭が1-0で勝利し、2年ぶり3回目となる近畿王者に輝いた。
残りわずかな時間で2点を奪って逆転勝利をおさめた準決勝の東海大仰星高戦に続き、決勝でも大阪桐蔭が劇的勝利おさめた。対戦相手の京都橘はプリンスリーグ関西の開幕戦で対戦し、1-5と大敗した相手。リベンジへの意気込みも強かったが、「決勝進出に満足したのか、立ち上がりは良くなかった」と主将のMF西矢健人(3年)が振り返ったように、序盤は自陣から幅を使ったパス回しで主導権を握りながらも、フィニッシュまで持ち込めず苦しんだ。
一方の京都橘も、司令塔のMF梅津凌岳(3年)、左SBの河合航希(3年)を起点にボールを動かしつつ、機を見てはCB松下廉(3年)らDF陣からのロングボールでFW輪木豪太(3年)の飛び出しを引き出したが、桐蔭同様にシュートまで至らず両者、無得点で前半を終えた。
後半は一進一退の展開が続いた。開始早々のチャンスは京都橘。松下のロングフィードから輪木がゴール前に抜け出したが、大会が行われた上富田町出身の大阪桐蔭GK藤本諒哉(3年)が身体を張ってストップ。以降も京都橘の時間帯が続いたが、「こういう展開になるのは予想していたので、攻撃が点を獲ってくれると信じて集中を切らさないように意識していた」と振り返る藤本を中心に、落ち着いた守りでゴールを譲らない。
大阪桐蔭も6分に、MF北田ダイア(3年)の強烈なミドルシュートでゴールを狙ったが、GK清水椋太(3年)に阻まれるなど1点が奪えないまま、後半が終了。試合は延長戦に突入した。スコアが動いたのは、PK戦目前の延長後半9分。右サイドを抜けた北田がクロスを入れると、ゴール前で味方が反応。競り合ったこぼれ球をFW菊井悠介(3年)が押し込み、大阪桐蔭が先制すると、直後にタイムアップの笛が響いた。
主将の西矢を筆頭に要注目ストライカーのFW今岡陽太(3年)など実力者が揃う今年の大阪桐蔭だが、新チーム結成以降はフェスティバルなどで上位争いをしても、3位で終わる大会が続いていた。「3位という成績って難しく、選手たちは落ち込むわけでなく、変な自信になっていった」と永野悦次郎監督が振り返るように、“俺たちはできるんだ”という過信が仇となり、全国総体の府予選も4強入りを果たしながらも、3位に終わり、全国総体出場権を掴めず。3年生のみで挑んだ今大会は、「3位ばかりと言われて悔しい想いをしていたので、“見返そう、ここでやってやろう”と思っていた」(西矢)。
3日で4試合をこなすタフな日程を勝ち抜き、「トーナメントに強くならないといけない」(永野監督)という課題を克服すると共に、「府総体ではどこか欠けていたようにように思う」と藤本が口にする一体感を得たことも収穫と言える。
今大会は、登録メンバー全員で白浜にあるアットホームな民宿に宿泊。「目の前にある砂浜で、皆でワイワイしながらトレーニングができたし、女将さんも凄く良い方で良いおもてなしもしてくださり、ご飯も美味しかった。泊っている間にチームが一つなって、良い雰囲気になれているなと感じた。優勝という肩書に加えて、チームが勝つために大事な他の部分を高めることができた」(藤本)。
ブロンズ続きだったチームが、念願だったゴールドのメダルを掴んだが、ここで終わりではない。狙うのは、あくまで日本一だ。「全国に出なくてもやれるということが証明できたと思う。ただ、これで満足したら終わり。冬(選手権)は1チームしか全国に出られないのでそこを目指したい」と西矢が話せば、藤本も「冬は絶対に全国に出て、応援してくださる上富田の人たちのためにも成長した姿と感謝の気持ちを見せたい」と続けたように、近畿王者の称号を足掛かりに選手権出場を狙う。
(取材・文 森田将義)
●【特設】高校総体2017