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欧州でも対人に手応えの大型左SB佐藤拓海、高校選抜の貴重な時間で全力出し切る

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日本高校選抜の大型左SB佐藤拓海(青森山田高→神奈川大)。対人の強さと攻撃力発揮を目指す

 日本高校選抜は31日、第56回デュッセルドルフ国際ユース大会(ドイツ)予選リーグ第2戦でエバートン(イングランド)と対戦する。181cmの大型左SB佐藤拓海(青森山田高→神奈川大)は、先発でも、途中出場でも勝利に貢献できるように準備。特に攻守において強さのある対人の部分と、得意とする攻撃の組み立て、ラストパスの部分で力を発揮する。

 2月の「NEXT GENERATION MATCH」、3月の「静岡県ヤングサッカーフェスティバル」でいずれも先発出場していた佐藤拓だが、スタンダール・リエージュ(ベルギー)との初戦はベンチで出場機会がなく、「出たかったですね」と悔しがった。

 だが、自分が途中出場した際に流れを崩さず、より良い方向に持っていくためにベンチやウォームアップ場で試合の雰囲気や相手の特長を分析。「外国のチームはサイドに速い選手がどこにでもいると思う。速い選手に対してやりやすい間合いに持っていかれないように、できるだけ自分の間合いに持っていくことを意識したい。自分のペースに持っていけたら相手も焦れてくる」と出場した際は我慢強く守って、優位に持っていく考えを口にした。

 国内合宿で大学生相手にも対人の強さを発揮していた佐藤拓は、オランダでの練習試合でも「球際とかそんなに差は感じなかった」と振り返る。確かに国内と違い、身体が小さくても当たった際に重いと感じるところがあったという。それでも、真っ向勝負してくる相手を得意としている佐藤拓は、その当たりの強さによって外国人のサイドアタッカーの突破を阻止し、攻撃面では味方と1タッチ、2タッチのパスでかかわりながら効果的に攻め上がって、ゴールに絡むことを目指していく。

 東京の三菱養和調布ジュニアユースから北の名門、青森山田で過ごした3年間は苦しい時に自分を支えるものになっている。特にインターハイ前の時期や冬の雪中練習は「あれ以上はないと願っています」と苦笑しながら明かす日々。プレミアリーグで関東、東海のチームと対戦するために青森からバスで長距離移動して強豪と戦い、トレーニングで成長を目指す中で青森山田の仲間たちとの絆が深まった。1年時はとても楽しみにしていた帰省も3年時には青森にいる日々が充実していたこともあって、それを感じなくなったという。

 青森で人間的にも成長したDFは青森山田の仲間とスタッフ、また「自分が山田行く際に見送る時からずっと応援してくれている」という地元の友人にもいい報告ができるように、少しでも高校選抜の勝利に貢献するつもりだ。

 神奈川大の外国語学部に進学する佐藤拓は、同じ外国語学部の1年先輩で昨年の日本高校選抜メンバーでもあるMF金子大毅に勉強面のことなどを色々と相談していたという。だが、金子は今年2月に退部して湘南からプロ入りすることを決断。数少ない外国語学部の先輩で頼りにしていた存在であり、世代を代表するプレーヤーと一緒にサッカーすることはできない。だが、関森悟監督から「いい経験をしてこい」と言われているという佐藤拓は、欧州での貴重な経験を神奈川大に持ち帰り、チームにプラスアルファをもたらすことを考えている。

「外国の選手とやるのはめったにないと思うし、貴重な時間だと思うので、今出せる力を全力で出すこと。それによってやれること、やれないことが見えてくると思う」。先発する試合があることも予想される大型SBは今後も力を全て出しきって、今回の欧州遠征、デュッセルドルフ国際ユース大会を将来に繋げる経験にする。

(取材・文 吉田太郎)
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