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[プレミアリーグEAST]伝統&進取の融合目指す柏U-18が開幕白星!! 「より強く、力強く」と山中真監督

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2点目のゴールを決め、チームメートに祝福される柏U-18MF山田雄士(3年)

[4.7 高円宮杯プレミアリーグEAST第1節 柏U-18 2-0 磐田U-18 味スタ西]

 高円宮杯プレミアリーグEASTが7日、東京都の味の素スタジアム西競技場で開幕した。第2試合では、昨季5位の柏レイソルU-18(千葉)とプレミア初参戦のジュビロ磐田U-18(静岡)が対戦。前半に2点を奪った柏U-18が磐田U-18をシュート1本に完封し、2-0で勝利した。

「より強く、力強く戦っていきたいです」。今季から指揮を執る山中真監督は試合後の取材に対し、何度も『強さ』への欲求を口にした。それは柏アカデミーが長年にわたって培ってきた『うまさ』の超越。伝統は「引き続き継続していく」とした上で、「それだけでは強くなりませんし、プロに上がって行くうえでも通用しない」と勇気を持って次のステップへ踏み出すことを宣言した。

 そんな新しいカラーはプレミアEAST開幕戦でも表現された。この日はメインスタンドからピッチを向いて、右から左へ強風が吹きつけるコンディション。「ピッチが最高で、天気も晴れて、風がなかったら最高の開幕戦」(山中監督)と冗談めかした指揮官だったが、生まれ変わろうとしている選手たちはしっかり対応してみせた。「風上では得点を奪い、風下では自陣で気を付けてプレーする」。そんなゲームプランがピタリとハマった。

 前半を風上で迎えた柏U-18は立ち上がりから、浮き球の処理に苦しみ、磐田FW三木直土(2年)を受けるなど落ち着かない展開が続いた。しかし、激しい持ち上がりを見せたDF杉井颯主将(3年)、アンカーのMF山下雄大(3年)を中心に地上戦への転換を図ると、徐々にペースを握っていく。すると19分、DF貞廣大輔(3年)が右サイドをドリブルで駆け上がる。最後はファウル気味のチャージで倒されたが、敵陣に攻め込む突破口を開いた。

 前半30分、FW森海渡(3年)の左足シュートはGK近藤壱成(3年)に阻まれたが、直後にエースがひと仕事を果たす。同32分、山下の組み立てを起点に貞廣が右サイドを駆け上がると、相手GKと最終ラインの間に鋭いクロスを配給。これに反応したのは再び森。ファーサイドに走り込んでダイレクトで合わせ、大きな価値のある先制点を奪った。

 さらに前半37分、柏に追加点が入る。FW鵜木郁哉(2年)が左CKを蹴り込むと、ニアサイドで相手DFが頭でクリアを試みたが、ボールは勢いを失わずにファーサイドへ。待ち受けていたMF山田雄士(3年)が右足で逆のサイドネットを揺らし、風上となった前半を2点リードで終えた。

 一方の磐田はハーフタイム開け、「アクシデントもあった」(世登泰二監督)という3枚替えを敢行。FW馬場惇也(1年)、MF青木海渡(2年)、MF原口晏侍(3年)を一気に投入し、反撃をうかがった。ところが後半2分、MF宮下岬(2年)の突破が不発に終わってからは、ゲームプランどおりリスクを負わずに守る柏守備陣をまったく崩せない。

 むしろ柏は後半15分、鵜木のループシュートがゴールを脅かすと、同31分にはセットプレーから杉井が狙う場面も。その後は数分おきに交代選手を投入しながら時間を使って、相手シュートを馬場が放った1本のみにとどめ、2点リードのまま試合を終わらせることに成功。念願のプレミアリーグに臨んだ磐田に対し、4年前の優勝チームが洗礼を浴びせた。

 試合後、主将の杉井も取材に応じ、新生レイソルの手応えを口にした。「サイドからの速い攻撃があって、セットプレーで点が取れているのは今年のストロングポイント。レイソルはボールを持ったら回すと思われているけど、そこができたら相手も怖いと思う」。目標は「一戦一戦を勝っていった結果の優勝」とやや理性的な表現を用いたが、新旧レイソルの融合が進んだ時、“太陽王子”が再び頂点に返り咲く可能性は十分にありそうだ。

(取材・文 竹内達也)
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