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履正社はU-23代表MF田中ら4選手が大学経由でJ同時加入。次のプロ候補は新3年生のボランチ・平岡大陽

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J練習参加を経験した履正社高MF平岡大陽(新3年)はしなやかさや運動量を特長とするボランチだ

 大阪の強豪・履正社高は今年、現U-23日本代表で昨年12月にA代表デビューも果たしているMF田中駿汰(大阪体育大→札幌)をはじめ、FW林大地(大阪体育大→鳥栖)、MF牧野寛太(関西大→長野)、DF大迫暁(日本体育大→沼津)とOB4選手が大学を経由してJクラブへ加入した。加えて今年は、高校からプロ入り期待のボランチがいる。

 MF平岡大陽(新3年)は身長170cmほどと特別なサイズ感こそないものの、動きがしなやかでプレーの連続性も兼備。また、球際で足が伸びるMFは、相手に振り切られることなく2度、3度と続けてプレッシャーをかけて、ボールを奪い取ってしまう。

 取材日はゲーム形式のトレーニングだったが、カウンターから最前線までスプリントして豪快なゴール。加えて、ミドルレンジからファインショットを叩き込み、また相手のプレッシャーを受けながらでも正確にパスを通すなど、強豪校の中で1ランク上のプレーを見せていた。

 本人は「良くない日もあるんですけれども、良く走って、守備から入ってやれば、自然と攻撃も流れが出てくるのかなと思うので、最近は守備のところを意識していて、より奪い切れるようにしたいです」と語る。攻撃の質の部分はまだ成長の余地があるが、まず守備と運動量にこだわってプレーすることで、自身とチームにリズムを生んでいる。

 1年時の選手権予選を先発ボランチとして経験し、昨年も主力の一人としてプレー。その平岡は今年の2月と3月に湘南への練習参加を経験した。「1回目行った時はスピード感とか身体がついて行かへんのは仕方ないと思うんですけれども、目も追いつかなくて……。ポゼッションとかの時に技術もそうですけれども、なかなか目が追いつかなくて『ヤバいな』と感じて、でもせっかく来たので走ってアピールしようという感じでした」。自身も驚いたというプロからの練習参加の誘い。それは日常から感じている、「(プロになるためには)もっとやらなければならない」という危機感を高めることに繋がった。

 自分の性格を「ビビリ」だという平岡。警戒心が強い一方で、満足して浮かれることもない。「(この性格は)良いところでもあり、悪いところでもあると思います」と微笑むMFは、日常から自分に高いレベルを求めて2度目の練習参加。ここで「目のところは慣れてきて、ちょっとずつ自分プレーとか守備とか出せてきたのかなと思いました」と自身のレベルアップとアピールに成功した。

 G大阪や仙台の育成組織などで指導した経歴を持つ平野直樹監督が、「伸びる要素がある。ボール扱い、献身性、中盤の選手でボールを失わない。(ここぞの場面でのスプリントなど)ゴールを獲るためにどうしたら良いか、実行できる。高いアベレージで仕事ができるので、スタッフからすると使いやすいと思います」と評価するボランチ。特に走る力や、攻撃に転じた際にスプリントする力、ハードワークできる力は湘南からも評価されているようだ。

 G大阪ジュニアユースから履正社、大体大を経てプロ入りした先輩MF田中は、セレッソ大阪西U-15出身の平岡にとって目標の一人になっている。「ユース上がれなくてここに来て、大学経由で代表とかにも入っている。そういう選手がいると、自分もまだまだやって行けるなとか、目標になっています」。自分の目標もプロ、そして日本代表。目標の存在に続けるように、努力をするだけだ。

 湘南への練習参加を経験し、「(これまでよりも)もっとハングリーになっている」と平岡。前評判高い今年の履正社でより自分を突き詰め、チームとしてもプリンスリーグ関西やインターハイ、選手権で結果を残す。

(取材・文 吉田太郎)

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