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[RYUKEI CUP U-18]「勝ち切れる」チームになって日本一へ。京都橘が後半の3発で桐生一突き放す

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京都橘高MF中野晃弥主将(80番)がゴールのFW永井友也を祝福

[8.17 RYUKEI CUP U-18 京都橘高 4-1 桐生一高 RKUフットボールフィールドA]

「2020 RYUKEI CUP U-18」初日、京都橘高(京都)と桐生一高(群馬)が対戦し、後半の3ゴールによって京都橘が4-1で快勝した。

 ともにこの日2試合目。第1試合では、京都橘が昌平高(埼玉)に敗れたのに対し、桐生一は矢板中央高(栃木)に逆転勝ちしていた。この一戦は前半14分、京都橘がFW永井友也(3年)の鮮烈な左足シュートで先制。徳島内定、特別指定されたエースFW西野太陽(3年)が不在の京都橘だが、DFをこじ開けるように前進する2年生FW木原励や永井を中心に桐生一ゴールへ迫った。

 だが、桐生一も1ボランチのMF金沢康太(2年)がボール奪取や展開で奮闘。そしてMF落合遥斗主将(3年)のラストパスやMF入澤祥真(3年)のシュートで応戦する。そして前半30分、浮き球のこぼれ球をFW寶船月斗(2年)が左足ダイレクトボレーで叩き込んで同点に追いついた。

 京都橘は、失点直後に木原の放った右足ミドルがクロスバーを叩いて1-1で前半終了。それでも、後半はMF中野晃弥主将(3年)が「前半は守備があんまり上手いこといかなくて、簡単に裏一発蹴られてヒヤッとしたシーンもあったんですけれども、後半はメンバー代えてDFラインも安定して、前からのプレスもハマったので良い形で試合することができました」と振り返ったように、後半は守備面がより安定して内容・結果を伴う30分間だった。

 昨年から全国舞台で経験を積んでいるDF金沢一矢(3年)、DF小山凌(3年)、DF山内琳太郎(3年)の3バックが後方の守りを安定させた京都橘は、後半13分にMF鎌田翔大(2年)が鮮やかなコントロールショットを決めて勝ち越し。桐生一もMF松尾琉雅(3年)が鋭いドリブルでPAまでボールを運んでいたが、京都橘は山内が対応するなど決定打を打たせない。

 そして、京都橘はMF中川樹(3年)のゴールで加点すると、試合終了間際にはMF幡司凛央(2年)のスルーパスで抜け出した永井がこの日2点目のゴールを決めた。昌平戦は中央の人数が多い相手の攻撃に対し、個で剥がされるなど苦戦した京都橘だったが、この試合では相手にファインゴールを奪われた後に崩れることなく勝利。プリンスリーグ関東勢の強豪に黒星をつけた。

 中野は今年の京都橘について、DFやGKのサイズの大きさ、技巧派の多い2年生とフィジカル面で優れた3年生とのバランス、そして学年関係なく意見を言い合える雰囲気の良さを挙げる。

 そのチームを引っ張る中野は「チームのために走ったり、陰でチームを支えるということがメーンになるかもしれないですけれども、そこで誰よりも走って身体を張る選手になりたい」と語り、「去年(の先輩)はみんな上手くて学ぶことが多かったんですけれども、僕らは勝ち切れるチームにしたいなとミーティングでも話したので練習試合からしっかりと勝負にこだわってやっていこうと思います」と力を込めた。

 昨年のインターハイ準決勝で試合終了間際の失点によって敗れて3位。初優勝を期待された選手権も後半終了間際の失点によって追いつかれ、PK戦で初戦敗退に終わっている。その昨年のチームを超えて日本一へ。昨年、今年のチームの課題を改善し、全国でも「勝ち切れるチーム」になる。

(取材・文 吉田太郎)
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