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憧れのCB関川郁万が輝いた選手権で“今年こそ”活躍を。盛岡商CB中村涼が印象的なプレー

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盛岡商高CB中村涼(左)は空中戦などで強さを発揮した

[8.30 スーパープリンスリーグ東北第1節 青森山田高セカンド 2-0 盛岡商高 青森山田高G] 

 不運なオウンゴールを含む後半の2失点で敗れはしたものの、盛岡商高(岩手)CB中村涼(3年)のプレーが印象的だった。この日の対戦相手は、昨年のプリンスリーグ東北優勝チーム・青森山田高セカンド(青森)。強雨のために縦へ速い展開となり、ゴール前で競り合うシーンが増えていたが、登録身長180cmのCB中村は高さを発揮。相手よりも先にボールを触ってクリアしていく。加えて、相手FWと上手く入れ替わってインターセプトしたり、身体を投げ出してボールを弾き返すようなシーンもあった。

 いつアクシデントが起こってもおかしくない状況の中、後半半ばまで0-0。強敵相手に盛岡商が無失点を継続できていたのは、中村とCB宮野隼(2年)の両DFの健闘によるところが大きかった。

 中村は、仙台などでプレーした経歴を持つ中田洋介監督が「1年生から出ていて、メンタルのところで成長している。(高さに加えて)足も速くて、蹴れるので」と認める存在。この日は利き足と逆の左足の縦パスもスムーズに通していたように、ビルドアップする力も持つ。下級生時は自分のところから攻略されて自信を失った時期もあるというが、最高学年になって自覚が増し、自信を持ってプレーできるようになっているという。

 ヘディングとカバーリングが強み。その中村が「サッカーIQが高くて、自分の行けないところとかもカバーしてくれてやりやすいです」と評価する宮野とのコンビは堅く、今後も対戦相手を苦しめそうだ。

 ただし、中村に満足感は全く見られない。この日、「高さの部分に関してはちょっとはやれたかなと思います」と振り返ったが、相手のスピードある攻守の前に思うように攻撃ができず、守備面も結果的に2点を奪われている。それだけに「やっぱり競り合いのところとかもちょっと負けたりしちゃっているので、改善していきたい」と意気込んだ。

 憧れは、流通経済大柏高(千葉)のCBとして2年連続選手権全国準優勝のDF関川郁万(現鹿島)だ。「選手権見ていて、ヘッドとかも強いし、守備範囲も広いから」。その中村が「今年こそ」の思いで目指しているのが、関川も活躍した選手権の舞台。「小さい頃からテレビで見ていて、ずっと出たいと思っていたので出たいです」。名門・盛岡商にとって9年ぶりとなる選手権へ。後輩DF宮野とのコンビで相手の攻撃を封じ、今年こそ選手権で活躍する。

(取材・文 吉田太郎)
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