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[球蹴男児 U-16]鳥栖U-15出身3選手中心に攻めた日章学園と、伝統の堅守発揮した熊本国府の攻防戦は1-1ドローに

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抜群のキープ力を発揮した日章学園高MF梶原壱盛(中央)に対し、熊本国府高の右SB廣野千翔(左)とMF坂井一心が厳しいチェック

[5.3 球蹴男児 U-16D1第6節 熊本国府高 1-1 日章学園高 大津町運動公園多目的広場]

 九州地域のU-16年代において、長期にわたるリーグ戦を通して選手の育成および指導者のレベルアップを図る「2022 球蹴男児 U-16 リーグ」Division1が3日に開幕。熊本国府高(熊本)と日章学園高(宮崎)との一戦は1-1で引き分けた。

 日章学園は鳥栖U-15のレギュラーとして全日本ユース(U-15)選手権優勝を経験しているMF川越廉斗とチームメートのMF梶原壱盛、MF家永偲道の鳥栖U-15出身3選手が先発。「自分は松木玖生選手みたいに、チームのずっと中心になって、ゲームも回して、私生活でもしっかりみんなの中心になれるようにしたい」という梶原が懐深いドリブルで存在感を放ち、川越が中盤中央でスキルの高さを発揮する。また、家永も徐々に突破力を発揮。だが、試合は熊本国府が先制した。

 前半10分、左サイドへ抜け出したMF内田尚良が切り返してクロス。大外で反応したMF岩崎禱真が右足ダイレクトでゴールへ叩き込んだ。最初の決定機をものにした熊本国府に対し、日章学園はボールを支配して波状攻撃を繰り出した。

 14分にFW三浦心大とのコンビネーションからFW佐久川友杜が抜け出してフィニッシュ。また、梶原が個でDFを剥がしてゴールへ迫るなど熊本国府に圧力を掛ける。だが、熊本国府は、「試合前から押し込まれる展開というのは分かっていたので、守りから攻撃に移ることをしっかりと意識して、DFライン中心に守ることを意識していました」というCB山内奎人が的確なカバーリングを連発。また、168cmの守護神・黒岩蓮がシュートセーブ力の高さを発揮するなどゴールを守り続ける。

 後半も日章学園ペースは変わらない。だが、熊本国府は正田浩之コーチが「今年の子は最後身体を張れる子が多い」と説明したように、最後の局面で一歩を出してブロックするなどゴールを守り続ける。

 それでも、選手交代でギアを上げた日章学園は後半30分、CB吉川昂我の縦パスに反応したFW富永晴が右足ループシュートで同点ゴール。交代出場FWの一撃で勢いを増した日章学園が一気に逆転を狙う。

 だが、熊本国府は前線でFW松元海斗が粘り強くボールキープして時間を作り続けていたほか、山内とCB松影千ノ介の両DFやMF坂井一心らが献身的に動き続けて2点目を許さない。オープンな展開となった終盤に勝ち越すことはできなかったものの、相手にも得点を与えず、勝ち点1を獲得した。

 熊本国府の山内は「集中力は自分たちの武器ということもあるし、DFラインは声を出せるので、そこから集中力がどんどん高まっていって守備力にもつながっていると思います」と堅守・国府の強みを発揮できたことを評価。一方、日章学園の梶原は「後半新しい選手が入ってきて、良い守備か良い攻撃ができて1点決めることができた。今からだと思うので、またあした気持ちを切り替えてやっていきたい」と次戦での勝利を誓っていた。

(取材・文 吉田太郎)
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