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右SB植田海音が驚異のスプリント連発。日大藤沢は4バック中心に個性を発揮

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後半、驚異的なスプリント力を発揮した日大藤沢高右SB植田海音

[5.7 関東高校大会神奈川県予選準決勝 厚木北高 0-3(延長)日大藤沢高]

 FC東京のDF中村帆高をはじめ、毎年のように優れたSB輩出している“SB王国”日大藤沢高。この日は「サイドが攻撃的に行けるということでこの学校を選んだ」という右SB植田海音(3年=横浜FCジュニアユース戸塚出身)が、インパクト十分のプレーを見せた。

 とにかく走る。前半は守備の課題が出て厚木北高MF浦晴汰(3年)との攻防戦で苦戦。攻撃参加に行く回数も十分に増やせなかった。佐藤輝勝監督も前半のプレーを厳しく指摘する。だが、ハーフタイムに助言を受けた植田は、指揮官から「後半は別人のように良かったと思います」と称賛されるパフォーマンスでチームのサイド攻撃を牽引した。

 後半は、何度も何度も繰り返しロングスプリント。50m走6秒ジャストの快足の持ち主は、時に手も使って止めようとするDFを強引に振り切り、クロス、ラストパスへと持ち込んでいた。

「練習でも自分の右サイドのスプリントというところは重要視していて、きょうは攻撃に十分に絡めたかというと、そうでもないんですけれども、何本もスプリントできたので良かった。相手がハイプレスだった分、裏取れればチャンスだと前半やっている中で分かっていたので、(自分サイドの)CBだったり、逆のCBから対角で長いボールを受けたり、後半は相手の背後を取れていたと思います」

 植田は、普段のトレーニングから「スプリントの練習を何回も何回もしている」成果を発揮。「自分は巧さがあまりないけれど、縦に行ける部分はチームの中で重宝されていると思う」という武器を発揮し、サイド攻撃の中心となった。

 その植田へ対角の素晴らしいボールを配球していたのが、レフティーのCB宮崎達也(2年)。守備の課題や、精度の課題がまだまだあるものの、左足キックは絶品だ。延長後半には左足CKで直接ゴールも決めている。またU-17日本代表歴を持つCBアッパ勇輝(3年)は正確なキックとヘディングの強さを随所で発揮。延長前半5分の先制点も、アッパの高打点ヘッドのこぼれ球から生まれている。

 加えて、左SB尾野優日(2年)も左足クロスなど攻撃力を発揮。ハードワークできる中盤や198cmの大器、FW森重陽介(3年)含めて今年の日大藤沢も個性的な選手が多い。チームワークが良く、苦しい時でも笑顔を絶やさないという今年は、その個性を一つにまとめて上へ。スピードに加えてクロスを徹底的に磨く植田は、「まずはチームの結果第一にして、その時に自分も良いプレーをしていたな、というふうにしたい」。チームのためにハードワークを続け、その個性で勝負を決める。

(取材・文 吉田太郎)

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