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“切り札候補”のFW上森ウエストリー修人が決勝ヘッド!日体大柏が東山下し、和倉ユース3位に

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後半開始直後、日体大柏高FW上森ウエストリー修人が決勝ゴール

[8.10 和倉ユース3位決定戦 日体大柏高 1-0 東山高 城山陸]

 ユース年代最大級のサッカーフェスティバル、石川県ユースサッカーフェスティバルが今夏も石川県を舞台に開催されている。そのトップカテゴリーに当たる和倉ユースサッカー大会は10日、3位決定戦を行い、日体大柏高(千葉)と東山高(京都)が激突。日体大柏が1-0で勝ち、3位で大会を終えた。

 準決勝で青森山田高(青森)相手に2度追いつきながらもPK戦の末に敗退した日体大柏と、優勝校の日大藤沢高(神奈川)を苦しめながらも0-1で敗れた東山との3位決定戦。序盤は日体大柏がMF植木笙悟(3年)のミドルシュートやFKのトリックプレーで東山ゴールを脅かす。

 だが、東山は今大会からボランチに戻ったMF松橋啓太(3年)やMF真田蓮司(3年)を中心に多彩なパスワーク。アタッキングサードでも簡単にはボールを失わず、連続攻撃を繰り出した。

 10分、松橋のスルーパスで左を抜け出したSB仲里勇真(3年)が中央へラストパス。これをC大阪内定のU-18日本代表候補MF阪田澪哉(3年)が1タッチで合わせ、こぼれ球をMF大谷彩斗(3年)が狙う。直後にも真田のスルーパスで阪田が抜け出したが、日体大柏はCB森田修士(3年)がブロックする。

 切り替え速くボールを奪い返す東山は、その後もワンツーからのシュートや、サイドの崩し、インターセプトしたFW豊嶋蓮央(3年)のドリブルシュートで相手ゴールを脅かした。だが、日体大柏はGK倉田竜輝(3年)の好セーブなど無失点を継続。逆にMF片野拓久(2年)が中央で3人を剥がして持ち上がり、MF川崎裕人(3年)が右足シュートを放つなど攻め返した。

 日体大柏は後半開始から11人全てチェンジ。J1クラブ注目の190cmFWオウイエ・ウイリアム(3年)らを投入した。すると、1分、右ハイサイドでボールを受けたオウイエがクロス。これを「自分がゴール前で呼び込む動作をして、そうしたらウィリー(オウイエ)が良いところに蹴ってくれたので、ヘディングでそらせてサイドネットを狙うような感じで打ちました」というFW上森ウエストリー修人(3年)が頭で左サイドネットへ流し込んだ。

 根引謙介監督が「後半入るメンバーはコミュニケーションしっかり取りながらということは意識させたので、そういう部分ではだいぶ中でも話しながら改善できた部分はあったと思います」という日体大柏は特に攻撃面を改善。ボールを保持する時間を増やし、CB神野匠斗(2年)の縦パスやオウイエのポストプレーを効果的に活用する。11分、12分とオウイエがシュート。25分にもMF古谷柊介(3年)の縦突破、ラストパスにオウイエが飛び込む。

 だが、このプレーでオウイエが負傷し、終盤は10人での戦いに。対して東山は前半に比べて押し込む時間帯は減っていたものの、前半以上に相手の守りを崩し切っていた。だが、得点を奪うことができない。

 9分に真田と阪田のコンビで右サイドを崩して豊嶋が決定機を迎え、後半終了間際にも右SB藤本崇太(3年)、また阪田のラストパスでいずれも交代出場FW上田幸輝(3年)がゴール至近距離からシュートを放つ。だが、日体大柏はGK原田眞透(2年)がビッグセーブを連発。メンバー全員で戦った日体大柏が1点を守り抜き、勝利した。

 日体大柏は今大会、Jクラブユース2チームを破るなど3位。ここからプリンスリーグ関東昇格、選手権全国大会出場、日本一へ向かう。根引監督は、「いつも選手にも言っていますけれども一つ一つ、目の前の試合を戦っていくだけなので、積み上げていく部分と相手に対する準備とそこを怠らずにやっていけたらと思います」と語った。

 決勝点の上森は体力面や切り替えの速さといった課題があるものの、自分の強みを理解し、プレーを向上させてきている切り札候補。「自分の自信があるところは裏抜けや身体の強さ、あとシュートのインパクト。色々な人から期待されると思うので、しっかり期待に応えられるようにしたい。選手権の目標は、第一は千葉県を制して、全国優勝を目指していきたいと思います」。一つ一つ積み重ねながら目標達成を目指す。

(取材・文 吉田太郎)

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