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[MOM3992]日大藤沢DF高橋育人(1年)_交代出場の俊足SBが「全力で」走って、チーム救う

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後半43分、日大藤沢高右SB高橋育人(ピンクのユニフォーム右側)が同点ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.4 関東Rookie League A・Bリーグ入れ替え戦 日大藤沢高 1-1 日体大柏高 時之栖うさぎ島G]

 交代出場の俊足右SBが、日大藤沢高を救った。関東Rookie LeagueのA・Bリーグ入れ替え戦は、後半23分にBリーグ2位の日体大柏高(千葉)が先制。上位リーグのAリーグ9位・日大藤沢は引き分け以上で残留だったが、追い込まれてしまう。

 その日大藤沢は失点後に右SB高橋育人(1年=秦野FC出身)を投入。右SBを務めていたU-15日本代表FW布施克真を前線へ押し出し、同点を目指す。敗れればBリーグ降格の大一番。高橋はベンチで「(日大藤沢の選手は)一人ひとりちゃんと競り合いとかやっていて、負傷とかする時もあったけれど、みんなすぐに立ち上がって戦っていた」と感じていたという。その仲間たちの思いを残留に繋げるために走り、ゴールを奪った。

 後半43分、日大藤沢は相手セットプレーからロングカウンター。「交代する時に(河内健奨)コーチが“最後の賭け”ということで自分を出してくれたので、カウンターとか結構距離があったんですけれども、走ってゴールに繋げるための一手をするのが自分の仕事かなと思って全力で走りました」という高橋がパス交換で抜け出し、独走する。

 いずれも交代出場だったFW宮澤朋也、FW小林琉云、そして高橋がこの場面で全パワーを出し切るように走って作り出した同点のチャンス。独走した高橋はPAでタックルを浴びて倒れたが、すぐに起き上がり、小林のシュートのこぼれ球に反応する。

「勝手に身体が起き上がって、そしたら転がってきた」というボールを渾身の右足シュート。ゴール至近距離から放たれた一撃は名手・GK早川ウワブライトを破り、同点ゴールとなった。

 高橋は「気持ち良かったです。めっちゃ気持ち良かったです」。同点ゴールを全員で喜んだ日大藤沢はこの後、ゴールを死守。1-1で引き分け、Aリーグ残留を果たした。高橋はリーグ戦開幕当初は先発も、交代出場が増え、右SHも経験。「一つ一つの基礎とか見直して、全体でミス無くして攻撃に繋げられるプレーを心掛けていました」というDFがトレーニングの成果を土壇場で発揮した。

 スペースへ抜け出すスピードが特長の高速SBは、「日大藤沢に入ったからには全国に出て優勝することが大切だと思うので、そこを目指して一つ一つもう一回やり直していきたい」。チームを救った高橋はこの日の歓喜から切り替え、また努力を重ねて、目標に近づく。

(取材・文 吉田太郎)
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