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青森山田の新たな大器、2年生の190cmCB小泉佳絃は「対人では100%負けない」「もっと決めれる」選手に

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青森山田高の注目2年生。190cmCB小泉佳絃がヘディングでクリア

[10.16 高円宮杯プレミアリーグEAST第18節 流通経済大柏高 1-1 青森山田高 流通経済大柏高G]

 上のステージ、また日本一を目指しているだけに、満足はしていない。それでも、青森山田高の190cmCB小泉佳絃(2年=ウインズFC U-15出身)が、成長した姿をプレミアリーグで披露している。

 名将・黒田剛監督も認めるヘディングの強さ。流通経済大柏高と対戦したこの日は激しいエアバトルを演じ、前へ出ての潰しや相手をブロックする動きでも逞しい動きを見せていた。ただし、本人は「(空中戦で)全て勝てるくらいにならないと、自分プロを目指しているので、それくらいやらないといけなかったかなと思います」と首を振る。

 また、前半にDFラインが押し上げられなかったことを反省。失点シーンは冷静な判断とパートナーのCB三橋春希(3年)への声がけを欠いてしまい、背後を取られてしまった。後半のような前への強いアタックを徹底し、三橋のように自分から声を発信して1-0で勝たなければならなかったと悔しがる。

 ただし、強敵との対戦を経て、自信がついていることも確かだ。「マリノスの内野(航太郎、得点ランキング1位)選手とかレイソルの山本桜大選手(トップチーム昇格内定)とかとやった中で守備での駆け引きを頭フル回転でやってきて、内野選手はその日シュートゼロ本に抑えることができたし、色々なFWと対戦して自分も止めれるという自信になったので、そこは良かったです」。前期の流経大柏戦で決勝ヘッドを決めている小泉はこの日も後半に決定的なヘッドを放った。

 だが、相手GKのファインセーブにあって、得点することができず。「山田を卒業した菊池流帆選手(現神戸)が点決めていたり、日本一になった丸山(大和、現東海大)選手とか見てきた中で、山田の中でも自分はまだ全然物足りないという感じなので、もっと決めれる選手になりたいですね」。セットプレーのターゲットマンも兼務する大型CBは、ゴールでも青森山田の勝利に貢献する意気込みだ。

 間もなく選手権日本一を懸けた戦いがスタートする。小泉は今年1月に国立競技場で見た先輩たちのようなプレーを表現して勝利し、同時に、勝つために必要なことを後輩たちに伝えるつもりだ。

「去年は日本一というのを選手権の観客席で見ていて、『こうやらないと日本一にはなれないんだな』と1年生で見れたので、それを今年舞台に立つことになりますけれども、凄いと思ったことを自分が次の1年生にも見せれたら良いかなと思います。(全国大会)決勝すらシュートゼロ。GKも、DFラインも、中盤も、前線も全員でハードワークするというのは凄くお手本になった代だったので、そういうところをもっとやっていければ良いと思っています」。そのためにも、この日出た課題を改善し、目指す選手像に近づく。

「自分は足下もちょっと自信がある。球際というところも自信があって、1対1で負けないというところと、足下で縦パスとか対角のキックも正確という自信があるので、足下もありながら、魂というか対人では100%負けないという選手になりたい」。スケール大きなCBが、目標のプロ入りを実現するためにも成長を続け、まず今冬に結果を残す。

(取材・文 吉田太郎)
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