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[MOM4035]流通経済大柏MF塩川桜道(2年)_対青森山田のボランチに抜擢された185cmCB。空中戦、地上戦で大健闘

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流通経済大柏高の2年生CB塩川桜道がボランチとして存在感のある動き

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.16 高円宮杯プレミアリーグEAST第18節 流通経済大柏高 1-1 青森山田高 流通経済大柏高G]

 主に1、2年生中心のBチームで活動する185cmCBが、本人も予想していなかったという流通経済大柏高Aチームのボランチ起用で奮闘。後半終了間際の失点によって白星こそ逃したものの、勝ち点1奪取の原動力となった。

 DF塩川桜道(2年=浦和レッズジュニアユース出身)は、185cmの長身で「ずっとCBです」というプレーヤー。先週もBチームの一員としてプリンスリーグ関東1部・帝京高戦で先発フル出場していた。だが、青森山田高戦へ向けたトレーニングの紅白戦でAチームのボランチとしてプレーし、この日もそのポジションで先発出場。「フィジカルでやられた部分も何度かあったけれど、ほとんど跳ね返せました」と振り返ったように、中盤で抜群の高さを発揮し続け、グラウンダーの攻防でも健闘した。

「自分、あまり対人が圧倒的に強いとか、フィジカルの強いタイプじゃなくて、足下の部分で補っていかないといけない部分がある。CBの時もビルドアップのところとか意識してやっているので、少しは行けました」と塩川。流経大柏へ進学してから左足キックを意識的に磨き、両足で蹴れるようになったことでビルドアップに自信がついたという。その力をボランチで発揮し、榎本雅大監督の期待に応えた。

 特に前半は青森山田のプレッシャーの中でもボールを動かす力を示していたが、後半は前がかりになった相手に苦戦。青森山田のパワフルな攻撃を跳ね返すことで精一杯になってしまった。後半終了間際の失点もクリアしきれず悔しいシーンになっている。それでも、先輩たちのサポートを受けながら、初めてのポジションで「失敗しても大丈夫」と強気のプレーを続けて自信をつける90分間。榎本監督は「将来性、感じましたね」と頷き、本人も「ボランチであそこまで……少しですけれども戦えたのは、自信になりました」と微笑んだ。

 今回の経験を飛躍に繋げる。「なるべく色々なポジションができた方が自分の人生でチャンスになって行くと思うので、色々なポジションできて、かつ引っ張っていけるような選手になりたいです。身体がデカいけれど、強いという訳では無い。デカいだけ、とならないようにちゃんと身体を鍛えるのもそうですし、技術的にもまだまだ改善しないといけないところがある。主にフィジカル的なところをつけて、『こいつがいれば大丈夫』と言われるような存在になりたい」と力を込めた。

 桜道(はるみち)という名前は「(由来は不明だが、)お父さんが『クローズ』という漫画が好きでそこに、坊屋春道 (ぼうや・はるみち) という人がいるって言っていました」。フィジカル面はこれからだが、高さと上手さ、賢さも兼備。桜道という自身も好きな名を多くの人々に広めるポテンシャルは、十分にある。課題と向き合いながら、この日得た自信を持って成長を続けるだけ。トレーニングからアピールし、またチャンスを掴んでチームの勝利に貢献する。

(取材・文 吉田太郎)
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