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先輩DFがW杯メンバー選出。大津の大型FW小林俊瑛は日本一、得点王、そして自分も先輩たちの“隣に”

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大津高の大型FW小林俊瑛主将(3年=藤沢市立鵠沼中出身)は1得点。選手権で日本一と得点王獲得を誓った

[11.19 高円宮杯プレミアリーグWEST第20節 大津高 2-0 東福岡高 大津町運動公園球技場]

 先輩と同じステージへ、大津高(熊本)FW小林俊瑛主将(3年=藤沢市立鵠沼中出身)は選手権の活躍、日本一で将来の目標へ向けて一歩前進する。

 大津のOB、DF谷口彰悟(川崎F)がワールドカップカタール大会の日本代表メンバーに選出。小林は「もちろん凄く刺激になりますし、自分もあそこでやりたいと思っているので、谷口選手がどういうプレーをするのか気になりますし、上田綺世選手だったり、FWの選手も気になってくるので。選手権前に良いニュースが入ってきてチームとしても凄く刺激になったと思います」という。

 191cmの大型FW小林は今年、1歳年上のU-19日本代表候補入り。現高校3年生中心だったU-17日本高校選抜ではリーダーの一人としてチームを引っ張り、ゴールを連発した。高校世代を代表するFWが意識するのは世界。大津の学校グラウンドにはOBで日本代表に選出された選手たちの全身画像が大きく張り出されている。「毎回朝練でバナー(写真入りののぼり)を見ているのもあるので、あそこに飾られるためにも、そういうモチベーションも持ってやっています」。谷口やFW巻誠一郎ら偉大な先輩の隣に自分も。その小林にとって、今冬の選手権はアピールの場となる。

 目標は初の日本一と得点王。昨年度の準優勝を「超越する」。また、ドイツ挑戦するライバル、神村学園高(鹿児島)の最強FW福田師王(3年)を上回って国内での競争を終える考えだ。「最後は絶対に勝たないといけない。(福田に)負けていないと思うので、そこは最後しっかり勝って得点王にならないといけないといけない。大事なところでしっかりと決めれる選手にならないといけないので1か月間あるのでそこでしっかり追い詰めていきたい」と誓った。

 この日は、距離感広く戦うチームの中でボールをロストする回数も増加。「最近の試合を見ていても自分の中でもロストが多いと思っているので、そこの改善はしていかないといけない」と首を振る。それでも、失ったボールを自ら取り戻すために、誰よりも献身的に走り続けるのが小林の良さ。そして、「最後の最後ロスタイムでも1点決められれば良いと思っている」というストライカーは1-0の後半アディショナルタイムに豪快な右足シュートを決め、勝負を決定づけた。

 日本一を目指したインターハイは準々決勝で敗退。小林は圧倒的な高さを見せつけていたが、再三の決定機を活かせず、チームは0-1で70分間の戦いを終えた。自分にとってもチームにとっても変わるきっかけとなった敗戦。大津が大事にしている言葉、「凡事徹底」に日常のトレーニングからこだわり、ゴールへの意識、質の改善に仲間たちと取り組んできた。

 背中で引っ張る主将のチャンスメーク力は重要。加えて、小林は日本一のために最後は自分が決める考えだ。大津は選手権優勝候補の一角。それでも簡単に勝つこと、勝ち続けることはできない。「(大津は)サイド攻撃が多いので、自分の高さを活かしたプレーだったりというのが多く必要になると思うので、そこはFWとして、キャプテンとして自分がやらないといけない」。必ず幾度か迎えるであろう逆境で自分がゴールを決め、5試合を勝ち抜いて歴史を変える。

(取材・文 吉田太郎)
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