“元祖・技巧派軍団”こと静岡学園高(静岡)は2022年、9年ぶりに高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグに参戦。プレミアリーグWESTを9勝7分6敗、高体連トップの4位で終えた。日々のトレーニングで培ったテクニック、インテリジェンスを強敵相手に発揮し、チームのリーグ戦最高成績を更新。G大阪内定MF高橋隆大(3年)は157cmと小柄ながらも名門の10番を背負った「最小最強のドリブラー」だ。プレミアリーグではJクラブユースの選手も圧倒するようなドリブル。そしてゴール、アシストを連発した高橋が、ドリブル、スピードへのこだわりやプロへの意気込み、ミズノから5年ぶりに発表された新作サッカースパイク「MIZUNO α(ミズノ アルファ)」を試履きした感想などについて、コメントした。

―トレーニングで着用した「MIZUNO α(ミズノ アルファ)」の率直な感想を教えて下さい。
「めっちゃ軽くて、凄いフィット感があって、自分は初っ端に履いた割には痛さとかなかったので、凄く良いスパイクやなと思いました。1サイズ小さく履いたんですよ。それでも、横幅の痛みとかなかったんで、しっかり足に合ったなという感じがします」

―人工皮革のスパイク。
「あんま履くことがなかったんでちょっとどうかなと思ったんですけれども、めちゃくちゃ狭い訳でもなかったので、良かったと思います」

―ボールタッチは生命線。このスパイクはどう感じた?
「大丈夫でした。あんまスパイクこだわりないんで痛くなくて、滑らなければ良い」

―「MIZUNO α(ミズノ アルファ)」のコンセプトはスピード。自分にとってスピードとは?
「緩急とかは結構使ったりするので。一瞬のスピードとか、めちゃくちゃロングランで勝つタイプではないので、一瞬で入れ替わるスピードとかは大事にしています」

―普段着用しているスパイクは?
「(モレリア)ネオ3履かせてもらっています。格好良いんで履いています」

―ガンバ大阪内定の反響はどうだった?
「結構地元の子とか。一番嬉しかったんは、(G大阪の先輩MF中村)仁郎くんがストーリー上げてくれたことです。仁郎くんが上げてくれたのと、高校選抜で一緒にやっていた徳永(涼、前橋育英)、(帝京長岡の廣井)蘭人、エマ(デューフエマニエル凛太朗)、小池(直矢、前橋育英)、(神村学園の大迫)塁とか高校選抜で仲良かった子からはみんな(連絡が)来て、良かったかなと思います」

―プロが決まって引き締まる思い。
「さらに注目度が上がってプレッシャーがある中でやらないかんと思いますけれども、実際プロの世界に入ったら当たり前のようにやらないといけないと思っているので、もっともっとホンマにやらないといけない」

―硬くなるよりも高橋君は前向きにもっと良いプレーを目指す印象。
「そんな感じで、もちろんしょぼいプレーしたら『なんやこれがプロか』と思われるのは分かっているんですけれども、逆に『これがプロやぞ』と。『オマエらやったら止めれへんやろ』くらいの勢いであるので、そういうのはやっていきたい」

―プロのステージで対戦したい相手は?
「長友(佑都)さんとやってみたいです。対人めっちゃ強くて身長低い方じゃないですか。でも、代表戦とか見てもめっちゃ強いですし、その対人は日本トップやと思うんで、それに対して果たしてどこまでできるかというのはやってみたいと思います」

―どうかわす?
「一瞬のスピードとか逆取ってもその後のスピードとかがめっちゃ速いと思うんで、抜き切ったらさらに評価が上がると思うんで、やりたいと思います」

―高橋君がやって嬉しいプレーは?
「点獲ることですかね。シュートを決めることが一番嬉しいですし、1タッチキャラとかではないんで、ちゃんとドリブルとか入れて、自分で剥がして決めるというのは一番嬉しいです」

―今年のゴールで一番嬉しかったゴールは?
「プレミアやと大津戦の左足でカットイン、カットインしてちょっと距離あったところから振り抜いたやつか、ワーチャレ(ユースワールドチャレンジ)の昌平戦の終了間際のカットインからのシュート。その2つはめちゃくちゃ気持ち良かったですね」

―ドリブルをどうしていきたい?。
「今は自分が持っているドリブルにプラスして、もっと上手い人らのドリブルを真似してもっと取り入れないといけないと思います。もっとドリブルのデパートリーをプロ行くので持っていかないといけないなと凄く思います」

―こだわってきたことは?
「逆取ることは凄く意識しています。潰されてしまうので」

―逆を取る時は感覚的なものがある?
「相手の身体の向きを見ます。行けると思ったら凄く気持ち良く逆を取れますね」

―仕掛けない時はどう判断している?
「自分が仕掛けない時は状況的にも一回落ち着かせて回す時もありますけれども、間合いがちょっとちゃうなという時は一回出して。たまにあるんですよね」

―逆に判断して行く時は?
「低いところから抜きに行って、逆に取られたらヤバいんですけれども、抜けちゃったらビルドアップ完成みたいな。今年の静学結構あるんですけれども、ボクが一枚剥がしてビルドアップ完成みたいな。それがチームとしても楽やし、プラスになると思っているんで自分は。そういうのは意識してやっています」

―キャラクターはずっと変わらない?
「中学生(ガンバ大阪ジュニアユース)の中1の一番最初の合宿で、1、2、3年の合同合宿があった時に、凄く監督に気に入ってもらったんですよ。その時に気にいられるキャラに入れるんかな、という意識はちょっとあって、すごく狙ってやっているわけじゃないんですけれども。少々はありますね。けれど、素の自分でやっている感じはあるので、自分でもええキャラしていると思います」

―海外行っても成功しそう。
「恥じらいとかないので」

―注目度の高かった高校3年間。
「1年から2年、2年から3年になって注目度が高まってくるのは分かりますし、静岡は自分が思っていたよりもサッカーに興味を持っている方が多いんで。店とか行って『静学の10番だね』、と言われることが結構あって凄く嬉しいんですけれども、その分、行動とか注意してやらないといけないです。(悪いことができない)できないです。本当に。そういうところで言えば人間的にも成長できたかなと思います」

(取材・文　吉田太郎、10月取材)