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「U17地域トレーニングキャンプ関西」は最終日に見違える動き。挑戦心とつながり表現し、関西大から4得点

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2本目3分、U17関西のFW上條恵大(興國高2年)が左足で勝ち越しゴール

[1.18 練習試合 U17関西 4-5 関西大 J-GREEN堺]

「2022 U17地域トレーニングキャンプ関西」は最終日の18日、J-GREEN堺で強豪・関西大と練習試合(25分×4)を行い、敗れたものの、4-5と健闘した。

 解散前のミーティング。2日間帯同したU-17日本代表の森山佳郎監督は、U17関西の選手たちに対して「今日は面白かった。チャレンジする姿勢を感じられた。(前日は特長が分かりにくかったが、)今日は『こういう選手なんだ』と分かった」などの言葉を掛け、そのプレーを称賛していた。

「2022 U17地域トレーニングキャンプ関西」は17日と18日の2日間開催。初日のびわこ成蹊スポーツ大戦はチャンスを得た各選手が一生懸命戦っていたものの、緊張、遠慮もあったか、周囲を巻き込んで盛り上げ、動かすような闘志、挑戦心が不足していた。

 だが、同晩に宿舎で開催された約1時間のミーティングを経て選手たちは変化。この日1得点のFW上條恵大(興國高2年)は「(森山監督から)『自分で勝たせる』という話をされたので、自分の中では(森山監督の求める)“メラメラ”で、“ギラギラ”で『絶対に点取ってやろう』と思っていた」と語ったように、この日はその気迫が各選手から伝わってくるような戦いだった。

 関大は授業で不在の選手もいたが、FW百田真登(3年=関西大一高)、MF谷岡昌(3年=愛媛U-18)ら主軸も先発出場。序盤は関大が優勢に試合を進めたものの、U17関西もFW馬場悠平(神戸弘陵高2年)やMF茅野裕太(阪南大高2年)が積極的なシュート、仕掛けで決定機を生み出す。

 ただし、こぼれ球に反応したFW西条将太(桃山学院高2年)のシュートが関大GK生嶋健太郎(1年=静岡学園高)に阻まれるなどチャンスを活かせず。逆に16分、関大FW打越彪乃介(3年=沼田高)に抜け出されて先制点を奪われてしまう。

 だが、22分、U-17日本高校選抜候補MF福永裕也(京都橘高2年)が右サイドから中へ強気のドリブル。飛び込んできたDF、さらにGKを鮮やかにかわして左足シュートを決めた。また、U-17日本代表CB尾崎凱琉(大阪桐蔭高2年)が前に出て起点を封じるなど、守備陣も奮闘して1-1で1本目を終了。そして、8人を入れ替えた2本目の3分、勝ち越しに成功する。

 果敢なプレスでボールを奪った上條が「自分のストロングはスピードと得点力」とスピードに乗ったドリブルで一気にPAへ。そのまま左足シュートを流し込んだ。U17関西はゴールを意識しながらボールを動かし、次の1点を目指していく。だが、関大は20分、左SB吉本武(3年=日大藤沢高)のクロスに百田が身体を投げ出して頭で合わせ、2-2で2本目を終えた。

 関大は授業の関係で3本目以降はGKが不在。3本目はGK森本正幸(東海大大阪仰星高2年)、4本目はGK植野麟兵(履正社高2年)とU17関西のGKが関大ゴールを守る形で進められた。

 その関大がU17関西を突き放す。3本目9分、コンビネーションから百田が2点目。さらに14分には、MF大山宣明(3年=岡山学芸館高)が決める。だが、U17関西も譲らない。西条が大学生に自分から身体をぶつけに行くなどパワフルなボールキープ、仕掛けを連発。17分には、福永の左CKをCB志津正剛(東山高2年)が大学生に競り勝つ形でヘディングシュートをねじ込んだ。

 選手権優秀選手の志津は落ち着いた守備に加え、ゴールで存在感。さらに25分には「(昨晩のミーティングで)映像も見たんですけれども、全員のつながりが必要だなと思ったので、全員のつながりを意識しました」という福永がグループでのボール奪取から一気に前進する。そして、西条との見事なワンツーで抜け出し、左足シュートを決めた。これで4-4。U17関西は求められていた「つながり」の部分でも、初日からの変化を示した。

 勝負の4本目はともに決定打が生まれない。迎えた19分、ボールを大事に攻め続けていた関大がMF富田修成(3年=大手前高松高)のゴールで勝ち越す。諦めずに攻めるU17関西もFW張間仙太(三田学園高2年)やMF寺阪蒼空(滝川二高2年)が粘ってボールをつなぎ、交代出場のMF山門立侑(近江高2年)や馬場がシュートへ持ち込んだ。だが、関大DFやGK植野の好守にあい、4-5で試合終了。敗れたものの、DF陣含めて「自分が勝たせる」という思いの見える戦いだった。
 
 2日間存在感のある動きを見せていたMF今西佑(関西大一高2年)は、「(森山監督の言葉を受けて)改めて気持ちも大切だなと思いましたし、高校生って気持ちの部分が大きいと思うので、その気持ちというのを忘れずにこれからもっともっと頑張っていきたいなと思っています」とコメント。同じ関西のライバルたちから刺激も受けた選手たちが、学んだことを持ち帰ってレベルアップする。


(取材・文 吉田太郎)

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