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神奈川県選抜U17の選手たちが体感した「高校トップレベル」。桐光学園MF小西碧波は飛躍するための指標に

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神奈川県選抜U17MF小西碧波(桐光学園高2年=シュートジュニアユースFC出身)は球際で強さを見せるなど日本高校選抜相手に奮闘

[2.12 練習試合 日本高校選抜 6-1 神奈川県選抜U17]

 全国の高校サッカー部から選ばれた“代表選手たち”との練習試合。オール2年生の神奈川県選抜U17は、貴重な学びの場にしたようだ。

 リーダー役を担ったMF小西碧波(桐光学園高2年)は、名門校で下級生時から先発を務めるボランチ。「こういう名だたるタレントが多い中で自分の力をまずは証明したいというハングリー精神はあったんですけれども、これが高校のトップだと感じましたし、自分の良さは出せなかったんじゃないかというのが一番の印象です」と首を振る。

 プロや年代別日本代表入りを目指す選手たちは、アピールのチャンスとも捉えて日本高校選抜に挑戦。小西は強度の高い動きでセカンドボールを制し、中央突破でチャンスの起点になるシーンもあった。タッチライン際まで幅広くカバーし、マイボールに変えるシーンも。だが、対峙したトッププレーヤーたちとの差を実感したという。

「やっぱり自分が対峙した選手、松橋(啓太、東山高)選手と廣井(蘭人、帝京長岡高)選手は攻撃において頭が良いというか、ポジショニングが今までやってきたボランチとの差を感じましたし、あと真田(蓮司、東山高)選手は前向こうとしたときにゼロ距離まで詰めてくる。そこは自分が奪う系のボランチとして見習うべきだと思いましたし、今年、自分は回す部分も頭に入れながらやっていこうと思っているので、きょう本当に凄いという言葉でしか表せられないというか、全てが足りないと感じました」

 小西が所属する桐光学園は昨年、関東高校大会で準優勝。だが、インターハイ、選手権の予選を勝ち抜くことができなかった。また、神奈川県1部リーグに所属していたため、真剣勝負の場でプレミアリーグ勢など全国トップクラスの強度、スピード感を体感できなかった。だからこそ、今回の貴重な経験に感謝。そして、この経験を今後に繋げることを誓っていた。

「こういうところで自分の現在地を知れて、全国トップレベルで戦う選手がどんなものなのか肌で感じることができた」と小西。そして、今回知った基準を忘れず、自身の掲げる不利な状況でもボールを奪う力、球際の攻防で全勝する力、松橋のようなノールックパスや対角へ1ステップで蹴る力を身に付ける。

 小西は、日本高校選抜、年代別日本代表入りが個人目標。「きょうの試合もそうですけれど、(日本高校選抜の選手は)武器のない選手がいないというか、パッと見て『あっこれだ』という武器のある選手にならないといけないなと感じました」。今年、プリンスリーグ関東2部へ昇格。リーグ戦や全国大会でトップレベルの選手たちと戦えること、際立った武器があることを証明する。

 選手権準優勝、インターハイ日本一の歴史を持つ桐光学園だが、昨秋の選手権予選で連続の決勝進出が7でストップ。今年は新たなスタートの一年でもある。「自分たちが歴史を作れるかというのは自分たちの今の行動にかかっていると思っていると思うので、自分が引っ張って、先輩たちの歴史をしっかり超えれるようなチームを作っていきたい」。U-17日本高校選抜候補のMF松田悠世(2年)、日本高校選抜相手に存在感のある動きを見せたMF齋藤俊輔(2年)、経験値豊富なDF川口泰翔(2年)というこの日一緒にプレーしたチームメートたちとともに力を磨き、一年後の選手権、高校選抜で活躍する。

(取材・文 吉田太郎)

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