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プリンスリーグ関東2部の昇格組対決、國學院久我山対桐光学園は2-2ドロー

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國學院久我山高(白)と桐光学園高(青)の昇格組対決は2-2で引き分けた

[4.16 高円宮杯プリンスリーグ関東2部第3節 國學院久我山高 2-2 桐光学園高 國學院大學たまプラーザG]
 
 16日、高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ 2023関東2部でともに昇格組の國學院久我山高(東京)と桐光学園高(神奈川)が対戦し、2-2で引き分けた。

 入りよく試合を進めたのは桐光学園の方。セカンドボールを回収し、右のU-17日本高校選抜MF松田悠世(3年)と左のMF齋藤俊輔(3年)の強力な両SHへボールを繋ぐ。彼らがカットインからシュートへ持ち込んだほか、推進力のある右SB杉野太一(2年)の攻め上がりを交えた攻撃でクロスの本数も増やした。

 だが、鈴木勝大監督が「強いチームは、あそこで取っていますよ。未熟なチームは、あそこで取れない」と指摘したように、圧力を掛けた時間帯で先制点を奪い切ることができない。逆に凌いだ國學院久我山が先手を取る。13分、右から中央へボールを戻し、MF山脇舞斗(3年)がシュートフェイントを交えたドリブル。寄せの甘い相手DFの隙を突き、そのまま右足シュートをニアへ突き刺した。

 新10番のファインショットで1-0。國學院久我山はU-17日本高校選抜候補のボランチMF近藤侑璃(2年)が怪我で欠場したことでやや守備の甘さが出ていたが、MF小宮将生(3年)や右SB入野瑛太(3年)がビルドアップで貢献し、一際出力の高い動きを見せる山脇が鋭いドリブル、シュートで相手ゴールを脅かした。

 桐光学園も左の齋藤が抜群の突破力を披露。だが、24分に齋藤のドリブルから松田の放った左足シュートはわずかに枠上へ外れるなど、主導権を握りながらも仕留めることができない。41分にも齋藤の突破からMF小西碧波(3年)がシュートへ持ち込むが、國學院久我山DFがブロックする。それでも、桐光学園は直後の右CKで松田がゴール方向へ向かう左足キック。このこぼれ球をMF羽田野紘矢(3年)が蹴り込み、同点に追いついた。

 さらに桐光学園は後半5分、松田の右CKをニアの羽田野が巧みに頭で流し込んで逆転。だが、國學院久我山は9分、左サイドからボールを繋ぎ、交代出場MF藤田隼(1年)が思い切り良く右足を振り抜く。DFがブロックして舞ったボールをGKがキャッチしようとするが、その前に飛び込んだ入野が紙一重のタイミングでプッシュ。李済華監督が「(右SBが)あそこにいること自体、凄い攻撃的だよね。あそこにいるんだよね。足元も上手いし、フィジカルも戦えるから、かなり良いサイドバックだと思います」と評した右SBの今季2得点目で2-2となった。

 この後は膠着した展開に。國學院久我山は前半に比べて、中盤の選手がボールに触れる回数が増え、ペースを握った。桐光学園は鈴木監督が「ミスが多いです。この暑さに多少打たれているところがあったので、そういうタフさは、足りないんじゃないかなと」と語ったように暑さも影響したか、セカンドボールを拾えずに苦戦。そして押し込まれたものの、U-17日本高校選抜CB青谷舜(2年)が1対1を止め切ったり、CB川村優介(3年)が前に出て相手の攻撃を止めるなど粘り強く守る。

 國學院久我山は山脇やMF保土原海翔(3年)がゴールに迫っていたが、MF佐々木登羽(3年)の決定的な一撃が桐光学園GK渡辺勇樹主将(3年)に止められるなど勝ち越すことができない。だが、CB普久原陽平主将(3年)が守備範囲の広い守備を見せ、CB馬場翔大(3年)も集中力高く守り続ける。また、試合終了間際に相手MF松田の放った一撃にGK大村太郎(3年)が反応するなど3点目は許さず、2-2で試合終了。李監督は「お互い勝ち切れなかったなという気持ちと、お互い勝ち点1で助かったなという気持ちとお互いそんな感じなのかなと思いますね」と微笑んでいた。

 桐光学園の鈴木監督は日本高校選抜のコーチとしてデュッセルドルフ国際ユース大会に参加し、優勝。4日前に帰国した指揮官は、「縦への速さとか、ボールの回収の仕方とか、すごい勉強になりました」と振り返る。松田は「(鈴木監督は)ドイツとか世界のチームも強度とかで勝負していると。技術とかより戦うことがベースだったと仰ってました」。経験を桐光学園に還元。昇格したプリンスリーグ関東は2勝1分とまずまずのスタートを切っているが、「強度の高い中でのジャッジ」(鈴木監督)などを突き詰めていく。

 一方、國學院久我山はどのくらい戦えるか未知数だったというプリンスリーグで1勝2分のスタートだ。「ウチはどちらかというと後期になってどんどんよくなっていくチーム」(李監督)はここから。ただし、普久原が「勝ち切りたかったです。この3試合は立ち上がりに失点してしまっているので改善しなければヤバいなと思います」と引き締めたように、満足せずにチーム力の向上と2部残留、1部昇格を目指していく。

(取材・文 吉田太郎)
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