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[MOM4251]米子北DF樋渡蓮音(2年)_ホームチーム勢いづける同点弾!左SB転向の2年生が攻撃面で貴重な働き

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後半33分、米子北高DF樋渡蓮音が同点ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.16 高円宮杯プレミアリーグWEST第3節 米子北高 3-1 静岡学園高 どらドラパーク米子陸上競技場]

 チャンスの数では上回りながらも決められず、後半19分に先制された米子北高(鳥取)だったが、33分の同点ゴールで息を吹き返した。左サイドでこぼれ球を拾った左サイドバック(SB)のDF樋渡蓮音(2年)が、「ニアサイドが空いているのが見えたので狙った」という右足シュート。狙いどおりに空いていたコースに飛んだボールが、GKの手の先を抜けてネットを揺らした。

 開幕から1分1敗、初勝利を目指した米子北は立ち上がりから何度もゴールに迫り、開幕2連勝で首位の静岡学園高(静岡)を相手に優勢に進めて前半を終えた。「みんなでハーフタイムに『ナイスだ』と声を掛け合っていた」と明かした樋渡は、その後の失点にもチームが気落ちすることなく、「みんなで声を切らさずにプレーしていたので、自分のシュートも入ったと思う」と振り返る。追いついて勢いに乗った米子北は、41分と44分にも加点して逆転し、3-1で初勝利を収めた。

 FCフェルボール愛知(愛知)から米子北に進み、以前は右サイドハーフだったが、今年の1月から左SBでプレーしている。中村真吾監督が「脚力があり、伸びるように走る力があるので、長い距離を走らせた方が生きると思った」と語る狙いからのコンバート。右利きながら左SBでプレーするのは、中村監督自身の現役時代と同じだ。

 ただ経験が浅いこともあり、SBの動きは「まだ全然分からない」との自己評価。特に中村監督が「まだまだ」と指摘する守備では「絞ることや、下がることを常に言われているので、意識している」という。この日も背後を取られて難しい対応を強いられる時間帯があったが、攻撃面で貴重な働きを見せた。

 第2節はホームで大津高(熊本)に2-4で敗れ、「今回は絶対にホームで負けられないと、みんなで話していた。たくさんのお客さんやチームのみんなが応援してくれているので、絶対に勝たなければいけないという気持ちだった」と語る。公式記録で1400人の観客が詰めかけた会場は同点ゴールから一気に雰囲気が変わり、盛り上がりに火をつけた樋渡も「いまでで一番の雰囲気でした」と笑顔を浮かべた。

 2018年以来の参戦で「強い相手に米子北のサッカーがどう通用するのか、楽しみにやっている」というプレミアリーグ。初めて参戦した2017年は、高校年代最高峰の舞台で鍛えられながら残留し、同年度の高校選手権で過去最高のベスト8進出を果たしている。自身初挑戦の樋渡は「これからも今日の前半のようにハイプレッシャーで相手を追い込み、良い流れに持っていきたい」と語り、日々の学びを生かしながら、チームと自身のさらなるレベルアップを誓っていた。

(取材・文 石倉利英) 
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