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[球蹴男児U-16]走力発揮のルーテル学院が3発逆転勝ち。1G1AのFW田島貴志「高校ではサッカーの面だけでなく、私生活の面も大事に」

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後半40分、ルーテル学院高FW田島貴志が決めて3-1に

[5.3 球蹴男児U-16リーグD2第1節 ルーテル学院高 3-1 筑陽学園高 大津町運動公園多目的A]

 MF安藤虎雅ら怪我で5人を欠くルーテル学院高(熊本)だが、主力不在の穴を感じさせない見事な逆転劇を披露し、「2023球蹴男児U-16リーグ」Division2で白星発進した。前半13分に先制点を許したが、「パス回しができていたので、自分たちの方が上だと思っていました。得点に繋げられる自信があったので、あまり焦らず声をかけながらプレーできていました」と口にするDF久保田仁基(1年=ルーテル学院中出身、22年タウンクラブ・中体連キャンプメンバー)とDF前川佑太(国体選抜候補)の注目CBコンビを中心に落ち着いて自陣からボールを動かし、攻撃のリズムを掴んでいく。

 ボールが動けば、攻撃陣の持ち味も活きてくる。攻撃陣の躍動する中でも、目を惹いたのは、50mを6秒4で走る俊足のFW田島貴志(1年=シャルムFC熊本出身)。試合序盤にFW田添秀弥が放ったシュートのこぼれ球に詰めながら枠を外してしまい、気落ちした様子も見られたが、時間の経過と共に持ち味を発揮していく。

 最初の見せ場は前半24分。左サイドを思い切りよく仕掛けて相手ゴール前に入ると、DFを引き寄せてゴール前にパス。走り込んだFW畠中新太がスライディングで合わせて同点に追い付いた。「あの場面は持ち味であるスピードが出せた。シュートを打とうとか迷ったのですが、畠中が走ってくるのが見えたので、パスを出しました」と説明した。

「後半は点が欲しかったので、まずは守備からと思って、相手のCBにどんどんプレスを掛けていきました。練習内でのポゼッションやシュートゲームなど練習の一つひとつで走っているのが、試合に活きせたのかなと思います」。そう振り返った後半は田島を中心に仕掛けた前からのプレスがハマり、筑陽学園高(福岡)を押し込んだ。後半7分にはGK竹尾光世のキックから、MF長尾知明がループシュートを決めて、2点目をマークした。

 以降も走力を活かして、試合を優勢に進めていくと、40分には田島に2度目の見せ場が。自陣から入れたロングボールは相手DFが先に触ったが、GKに下げたボールを田島がカット。そのままがら空きとなったゴールに決めて、3-1で試合を終えた。試合後の田島は、「(立て直して1点決められたことは良かったが、)もっとプレスを掛けてボールを奪い切れる場面があったのと決定機を外してしまったのが反省点」と口にした。

 1得点1アシストの活躍を見せた田島は、附属中学出身選手が多いルーテル学院に高校から加わったプレーヤーだ。「練習参加した時に環境面や家からの距離を考えたら、ルーテル学院が一番合っていた。やっているサッカーも自分の特徴を活かせるかなと思って、ルーテル学院に行きたいと思いました」と門を叩いた。ピッチ内だけでなく、私生活にも目を配れる選手を目指すのがルーテル学院のカラーで、「高校ではサッカーの面だけでなく、私生活の面も大事にしてチーム一丸となってやっていきたい」。

 2年連続で選手権4強の大津に対するライバル心も隠さない。「今の熊本は大津の一強になっているので、自分たちは打倒・大津でこれから3年間頑張っていきたい」と意気込む通り、球蹴男児で1年生21人が成長し、熊本県の頂点を狙いに行く。

(取材・文 森田将義)

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