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[SBSカップ]昨年の静岡得点王、今年はプリンス東海得点ランク首位タイ。浜松開誠館MF菅原太一が技ありゴールで爪痕を残す

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後半31分、静岡ユースMF菅原太一(浜松開誠館高)が技ありゴールを決めてガッツポーズ

[8.20 SBS杯第3節 静岡ユース 3-1 U-18韓国代表 エコパ]

 爪痕をしっかりと残し、SBSカップを終えた。MF菅原太一(浜松開誠館高)はけが人に代わって追加招集で静岡ユース(静岡県高校選抜)メンバー入り。「何か自分を残すものが欲しいと思っていて、チャンスが来たからにはこそ、自分の特長の点を取るとかは出して行かないといけないと思っていたので、最後こういう形で終われたのは良かった」と頬を緩めた。

 菅原は、U-18韓国代表とのSBSカップ最終戦で後半28分から途中出場。スコアは2-1、残り時間は12分しかなかった。だが、ピッチに立ってからわずか3分後に結果を残す。

 後半31分、菅原は右サイドから縦突破。一度ボールを失ったものの、味方が3人がかりで奪い返し、MF矢田龍之介(清水ユース)から再びパスが届く。すると、菅原は右サイドから中へ持ち込み、オーバーラップした右SB岩崎海駕(清水ユース)の動きをおとりに切り返して左足シュート。ボールは鮮やかな孤を描き、逆サイドのゴールネットに吸い込まれた。

 ゴールを確認すると、小さくガッツポーズ。菅原は昨年度の選手権静岡県予選で得点王に輝き浜松開誠館を全国大会出場へ導いている注目アタッカーだ。今年、チームではFWとして起用され、プリンスリーグ東海得点ランキング首位タイの10ゴール。静岡ユースではSHとして出場してきた。先発したU-18日本代表戦(18日)では得意とするドリブルでDF1人を剥がすところまでは持ち込んでいたが、他のDFにカバーされたり、枠へシュートを撃ち切れなかったりして無得点。“惜しい”が続いていた。

「それも自分の課題だと思っていて、一昨日の日本代表戦もシュートまでは行っているけれど枠に行っていないとか。質というのは自分で求めていかないといけないと思っていたので、今日は(これまでの左とは)違うサイドだったんですけれども、そういう形が来て良いシュートが打てたのは良かったです」。有能なフィニッシャーの見事な一撃。静岡ユース、スタンドも大いに沸いた。

 昨冬、全国大会を経験。自身は無得点に終わり、プレミアリーグ勢の大津高にPK戦で敗れた。予選も「実際、自分で崩してとかはなかった」と実感。今年は、周囲との連係で取る力と自分で取り切る力の2つを求めてきたという。この日は味方の動きも利用しながら、自ら決め切って挙げた1点。大舞台で結果を残した菅原は、高校生活残り半年で2つの目標達成を目指していく。

「プレミア参入戦と選手権はチームとして残っているので、そこの2つは本当に取っていかないといけない」。浜松開誠館にとっていずれも初となるプレミアリーグ昇格と、選手権予選連覇。その先に全国制覇という大目標がある。

 進路は大学進学を予定。U-18日本代表やU-20関東大学選抜の質の高さを実感した菅原は課題克服と自分の特長を伸ばすことに取り組んでいく。「高校生からプロになる人はいると思うけれど、そういう選手よりも(大学で)経験できるのは強みだと思っているので、そこを強みにその人たちを抜く。今、自分が上手いと思っている選手をプロで抜いて自分が活躍するということを強く思っている」。静岡ユースのチームメートである清水ユースや磐田U-18の選手たち、U-18日本代表の選手たちを4年間で逆転すること。高校、大学で、チームが勝つため、彼らを超える選手になるための日々を過ごす。

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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