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開幕2連敗から巻き返して2位フィニッシュ。日大藤沢がU-16全国切符獲得!

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後半15分、日大藤沢高FW有川啓介(中央)が2点目のゴール。FW藤本歩優(右)も1得点

[9.9 関東ROOKIE LEAGUE Aリーグ第9節 市立船橋高 0-3 日大藤沢高 時之栖うさぎ島G]
 
 関東・静岡の強豪校の1年生が90分間ゲームのリーグ戦で力を磨く「2023関東ROOKIE LEAGUE」Aリーグは9日、最終節を行い、3位・日大藤沢高(神奈川)が3-0で7位・市立船橋高(千葉)に快勝した。日大藤沢は2位へ順位を上げ、U-16の全国大会であるMIZUNO CHAMPIONSHIPへの出場権を獲得した。

 日大藤沢が開幕2連敗の後、6勝1敗と巻き返し、全国切符獲得。河内健奨コーチは「ライン上げようとか、戦おうとか、やるべきことをやろうとしてきたことが勝ちに繋がった。成長したと思います」と選手たちを讃えていた。

 その日大藤沢は、開始わずか10秒ほどで先制点を奪う。トリックを入れたキックオフから元日本代表MF藤本淳吾氏を父に持つFW藤本歩優へ繋いで攻撃。最後はこぼれ球を得点ランキング首位のFW有川啓介が決め、幸先良くリードを奪った。

 その後もチーム屈指の技巧を持つFW岩藤利龍やMF杉崎万泰がボールを前進させ、チャンスを作る。決めきれない時間帯が続いたものの、34分、CB千葉海斗のパスで藤本が抜け出し、ループシュートで追加点。藤本はこの日、ともにリーグ2位の7得点、5アシストと数字を伸ばした。

 市立船橋は引き分け以下で9位後退、入れ替え戦出場の可能性。配球光るMF長野恵弥やMF小川夢成を中心にボールを支配して反撃する。相手を押し込み、MF左近作怜の鋭いドリブルやMF仲野真翔の左足ミドルなどで相手ゴールを脅かした。

 市立船橋の攻勢の時間帯が続いたが、日大藤沢はGK橋本友翔がファインセーブを見せ、CB榎本来輝らDF陣も堅い。迎えた15分、日大藤沢は榎本の縦パスで有川が抜け出す。マークのDFがついていたものの、強引に打ち切ったシュートがGKの逆を突く形でゴールイン。有川の今季10得点目によってリードは3点となった。

 岩藤は日大藤沢の1年生について、「個性を一人ひとりが持っているので、チームとして一つとして向いた時に大きくパワーを持てるというか、それが他と違って勝てている理由かなと思います」と説明する。リーグトップの24得点。開幕2連敗からまとまり、大きな力を発揮した。この日敗れた西武台高を上回り、目標のU-16全国大会出場。一方の市立船橋は9位で昌平高(埼玉)とのAリーグ・Bリーグ入れ替え戦を戦うことになった。

 日大藤沢の1年生は今夏、岩藤や榎本らがトップチームの石川遠征や青森遠征に帯同。岩藤は「トップだとみんな仲良くて、試合中とかも言い合ったり、ルーキーと違って一人ひとり自覚していて、ピッチ外でも一人ひとりやるべきことをやっている。そういう場面ではルーキー、まだまだだなと思いました。もっと自立して、もっとコミュニケーション取ったりすることはルーキーに持ち帰ったりしたい」。苦しい序盤戦の中でやるべきことを見つめ直した1年生たちは、インターハイ3位の先輩たちから学んだことでまた意識面が変わっている。

 アイディアとテクニックが武器の岩藤は、今後へ向けて「見てて面白い選手になりたい。自分がサッカーを楽しむことを第一に持っていたい。そこで試合を楽しんで、結果ついてきて、観客の人も楽しんでくれたらいい」と語る。サッカーを楽しみながら、また先輩たちから学びながら成長を続けること。そして、優勝を掲げるMIZUNO CHAMPIONSHIPや選手権、来年のインターハイで活躍する。

日大藤沢屈指の技巧派、FW岩藤利龍

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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