[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.18 NBチャンピオンシップU-16決勝 東海大高輪台高 0-1 飯塚高 時之栖うさぎ島G]

　飯塚高(福岡)のMF保科剛(1年=CAグランロッサ出身)が“全国大会級のU-16大会”、「ニューバランスチャンピオンシップU-16」の大会MVPに選出された。

　保科は今大会、ダブルボランチの一角で抜群の強度を発揮。球際での相手選手への当たり方、タイミングを意識してきたというMFは奪い返しで大きく貢献し、味方の攻撃時間を増やしていた。

　そのMFは決勝でも持ち味を発揮し、試合終盤には人一倍の運動量。身体を投げ出してタックルするなど、味方が苦しい時間帯に存在感を放っていた。「みんなより自分走れるんで、みんながキツイと思う時に運動量を2倍3倍に増やして、みんなのカバーリングとか行けたと思います」。そして、今大会初戦後に「代表とプロを勝ち取るつもりできている」と語っていた保科は宣言通りの活躍で、大会MVPを獲得した。

　島田一真コーチが「交代選手も全て当たるくらいに活躍してくれた。自分の役割を全うしていました。交代もベンチからも戦っていた」と評したように、飯塚は各選手が活躍。中でも保科については、「このクラスの相手でここまで光るかと思いました。ちょっとデタラメなところもありますけれども、クレバーさもあるし、強度がピカイチなので。あとはハートも」と称賛していた。

　本人は「(MVPは)オレしかいないでしょう、って感じですかね」と笑顔を見せた後、「まだですね。ちょっとは(名が)上がったけれど、全国出て警戒されるほどではない。圧倒できなかったです。全国はみんな上手いし、今まで九州だけで見ていたから。帰ってからこの大会のことは忘れて、自分を一から鍛え直して、もっともっと上でできればと思います」。相手のプレッシャーの速さや巧さに苦戦することもあったというだけに、まだまだ成長することを誓っていた。

　目標のプロや日本代表になるために、必要なことは「人から好かれることですかね。色々なことをやって応援している方にもしっかりと好かれるように」。応援される選手になるために、ピッチ内での活躍だけでなく、ピッチ外での取り組みもより大事にする考えだ。

　4年前の初優勝時のMVP、FW高尾流星は鳥取からプロ入り。18年大会MVPの昌平高(埼玉)MF柴圭汰(現福島)や16年大会MVPの青森山田高(青森)MF檀崎竜孔(現ウエスタン・ユナイテッド、元札幌)も高校卒業後にプロ入りを果たしている。08年早生まれのボランチ、保科も飯塚でさらなる成長、白星を重ね、過去のMVPプレーヤーたちに続く。

(取材・文　吉田太郎)