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プレミアWEST王者に輝いたのは広島ユース!! 苦しみながらも勝ち点3をつかみ、2年ぶり6回目のV!!

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プレミアWESTを制したサンフレッチェ広島ユースの選手たちが歓喜を爆発

[12.3 高円宮杯プレミアリーグWEST第22節 広島ユース 3-2 神村学園高 安芸高田市サッカー公園(天然芝)]

“高校年代最高峰のリーグ戦”高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2023 WESTは3日に第22節(最終節)が行われ、サンフレッチェ広島ユース(広島)と神村学園高(鹿児島)が対戦。広島ユースが3-2で勝利し、2年ぶり6回目の優勝を決めた。

 前節終了時点で2位の神戸U-18を勝ち点1上回って首位に立ち、勝てば優勝が決まる広島ユース。野田知監督が試合前に「優勝は目の前にある。つかみ取るために、まず前半で相手の気持ちを折ろう」と語りかけた選手たちは、開始直後からエンジン全開で攻めた。開始わずか19秒でMF鳥井禅音(3年)がミドルシュート、これは神村学園GK川路陽(3年)のセーブに遭うも、4分にもFW中川育(3年)がゴール前でシュートを放つ。

 勢いのままに6分、早くも先制点を奪う。敵陣で相手のパスをインターセプトしたFW角掛丈(3年)から、MF中島洋太朗(2年)へ。ドリブルで持ち込んだ中島が左足で蹴り込み、均衡を破った。

 なおも攻め続ける広島ユースは11分、右サイドを崩して角掛がセンタリング。逆サイドから中央に飛び込んできた中川がヘッドで合わせ、あっという間に2点のリードを奪う。

 それでも野田監督は、前半で勝負を決めるべく「とどめを刺せと言っていた」という。だが神村学園は14分、MF名和田我空(2年)のミドルシュートは広島ユースGK山田光真(3年)に阻まれたもののCKを得ると、名和田のキックからゴール前で混戦となった後のこぼれ球を、DF鈴木悠仁(2年)が左足で決めて1点を返した。

 悪い流れを止めた神村学園は徐々に落ち着いてパスをつなげるようになり、ゴールに迫るシーンを増やしていく。37分には広島ユースのGK山田へのバックパスを「緩いので狙っていた」というFW西丸道人(3年)が、キックしようとした山田よりも先に触り、入れ替わってフリーに。最後は確実に横にパスを出し、MF佐々木悠太(1年)が無人のゴールに決めて前半のうちに追い付いた。

 2-2で迎えた後半、広島ユースは勝ち越しを狙ってゴール前でのチャンスを多く作るが、7分に鳥井がゴール前中央から放ったシュートはクロスバーに当たって決まらず。15分にはDF橋本日向(2年)が左サイドをドリブルで破って折り返し、再び鳥井が中央で合わせるも、GK川路を破ったシュートはゴールライン付近で鈴木にクリアされた。

 前半同様、苦しい時間帯をしのいだ神村学園も反撃に転じ、28分には右からのセンタリングが流れたところを名和田が右足で狙ったが、Gkの正面を突く。名和田は35分にもゴール前右サイドでフリーとなったが、右足シュートは上に外れた。

 残り10分を切り、広島ユースの選手たちには焦りの色が見られるようになったが、残りわずかとなった40分、ついにリードを奪う。後半16分から交代出場し、それまでも積極的にシュートを放っていたMF小林志紋(1年)が、エリア外左サイドから右足を一閃。GK川路も見送るしかない鮮やかなミドルシュートが、ファーサイドに決まって3-2とした。

 その後は神村学園も同点を狙って攻め込むが、広島ユースは体を張ってはね返し、そのままタイムアップ。序盤の攻勢から一転、苦しみ抜いた一戦で勝ち点3を積み上げ、タイトルをつかみ取った。

 惜敗となった神村学園は、11月29日(水)に第19節未消化分の履正社高(大阪)戦で勝利を収め、今年度が初参戦のプレミアリーグ残留が決定。前節から中6日の広島ユースに対し、中3日でコンディション面では不利な状況ながらも、最後まで競り合った。

 主将の西丸は「自分たちには選手権がある。消化試合にするのではなく、素晴らしい相手なので、選手権につながるような試合にしようと話していた」とコメント。12月15日に準決勝、16日に決勝が行われる選手権予選に向けて「課題が見つかり、戦える部分もあったので、収穫は得られたと思う」と手応えをつかんでいた。
 
 広島ユースは残留争いを強いられた昨年度から巻き返し、終盤は4連勝でフィニッシュ。野田監督はEASTを制した青森山田高(青森)と対戦する10日のファイナルに向けて「最後の一発勝負なので、コンディションとメンタルが最も大事。しっかり準備したい」と決意を新たにしていた。

(取材・文 石倉利英) 
●高円宮杯プレミアリーグ2023特集
石倉利英
Text by 石倉利英

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