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「優勝できるように」。“無限の大器”広島ユースDF木吹翔太は先輩の思い、悔しさを胸に1年後再びこの場所へ

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DF木吹翔太

[12.10 プレミアリーグファイナル 青森山田高 2-1 広島ユース 埼玉]

 高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2023 ファイナル。パワフルなプレーを武器とする青森山田高との対戦に、サンフレッチェ広島ユースのDF木吹翔太(2年)は闘志を燃やしていた。

 相手の得意とするロングスローに対しては「僕のところで弾いていく練習をしていた」と言うように、2mの長身を活かしてニアサイドで防波堤として機能。青森山田DF山本虎が「なかなか触らせてもらえなかった」と舌を巻いたように、GK山田光真(3年)を含めた対応で、その攻撃を防ぎ続けた。

 本格的にCBへコンバートされてからまだ日は浅いものの、予測を含めた守備対応もしっかりこなし、終盤まで青森山田の攻勢をゼロに抑え続けた。「後半は余りうまくいかなかったんですけど、その中でも自分たち(守備陣)が跳ね返せていた」と言うように、終了間際まで守備の出来は手応えもある内容だった。

 ただ、「スタジアムの雰囲気とか緊張感とかもあった」と振り返るように、終盤になると全体に足が止まる中で劣勢の時間が増えてしまい、最終的には逆転負け。木吹は「自分たちの詰めの甘さが出てしまった」と肩を落とした。

 負傷離脱中のDF中光叶多(3年)の分まで戦うという思いを持っていただけに、この悔しさを忘れるつもりはない。

「ケガした中光くんの代わりというか、その分まで勝とうと思っていたのに勝てなかった……。次は自分の代だけど、そこで優勝できるように頑張りたい」(木吹)

 広島が誇る無限の可能性を持った大器は、この悔しさを胸に、来年再びこの場所へ戻り、勝利することを誓う。

(取材・文 川端暁彦)
●高円宮杯プレミアリーグ2023特集
川端暁彦
Text by 川端暁彦

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