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[MOM4562]鹿島ユースFW馬目隼乃介(3年)_「13」のエースストライカーが前半だけでハット。恩師・柳澤監督と三度抱擁

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前半45+2分、鹿島アントラーズユースFW馬目隼乃介(3年=鹿島アントラーズノルテジュニアユース出身)が頭でこの日3得点目のゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.10 高円宮杯プレミアリーグプレーオフBブロック決勝戦 仙台ユース 0-7 鹿島ユース 広島広域公園 第一球技場]

 背番号13のストライカーが、前半だけでハットトリックの大活躍。鹿島アントラーズユースをプレミアリーグ昇格へ導いた。

 まずは前半開始15秒、FW馬目隼乃介(3年=鹿島アントラーズノルテジュニアユース出身)は“電光石火”の先制点を挙げる。FW大山幸路(3年)が浮き球をスペースへそらした瞬間、得点の匂いを察知してゴール前へ。MF三沢大和(3年)のシュートはGKに阻まれたが、そのこぼれ球を右足でゴールへ蹴り込んだ。

「大和がシュートを打つなと思ってたんで、ファーサイドへ打ったら自分のところに来るなっていうのは意識しながら、ファーに詰めて、ポジショニングもバッチリだと思います」。ゴールが決まると、まずベンチと逆サイドのスタンドで歓喜。その後、ピッチを横切ってベンチ前で柳澤敦監督と抱擁した。

 柳澤監督は鹿島のレジェンドの一人で元日本代表のエースストライカー。馬目の背番号「13」は、柳澤監督が現役時代に背負い続けた番号だ。鹿島ユースでのラストゲームで恩師とともに喜んだゴール。馬目はこの後も2度、計3度も柳澤監督とゴール後の抱擁をして見せた。

 前半6分には、相手の足が一瞬止まった隙を逃さずにスペースへ抜け出す。そして、切り返しから右足で2点目のゴールを決めた。「自分の得意な形から背後抜け出して、あそこに(大川)佑梧が出してくれたんで、ちょうど自分の得意な形で決めた。奪った瞬間だったり、相手が油断して隙っていうのはずっと意識しているところだった。そこは良かった」と振り返る。

 そして、前半45+2分には敵陣PAでボールを強く要求。MF小倉幸成(3年)の右クロスを頭で合わせてハットトリックを達成した。「自分、エースっていう自覚を持ってるし、『俺が決めて勝つんだ』っていう気持ちもあったんで、そこは良かったと思っています」。エースの使命を見事に果たす3発だった。

 柳澤監督と幾度もゴールを喜び合い、勝利したことについて、馬目は「(柳澤監督は)鹿島のレジェンドなんで。その人の番号を背負って、こうやって昇格できたのは、ほんと誇らしいですし、嬉しいです」。馬目は馬力ある動きと決定力に注目のストライカーだが、攻守にハードワークすることも欠かさなかった。

 点差が開いた後半もプレスバックでボールを奪い取り、カウンター攻撃の起点となるシーンがあった。前半以上の戦いを目指してハードワーク。鹿島ユースは後半にも3点を加え、7-0でプレミアリーグ昇格を決めた。

「13」は大学卒業後に鹿島へ戻ってくるためにレベルアップする。「(特に)自分の武器であるシュートだったり、駆け引きだったり、ゴール前の部分っていうのは伸ばしていきたいですし、誰にも負けないようになりたいです。世界でも活躍できる選手になりたい」。進化を継続。トップチームでも「13」を背負う選手になり、世界で活躍する。

前半45+2分、ハットトリックを喜ぶ

柳澤敦監督と3度目の抱擁

(取材・文 吉田太郎)

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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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