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[NEW BALANCE CUP]インハイでハット、初の8強、優秀選手。高知FW門田翔平はより上へ、「今年こそは自分が点を取って勝ちたい」

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昨夏のインターハイ優秀選手。高知高FW門田翔平(2年=安芸市立清水ヶ丘中出身)は後半、前線で攻守に奮闘

[1.5 NEW BALANCE CUP決勝T1回戦 流通経済大柏高 1-0 高知高 時之栖うさぎ島G]

「自分らが(選手権に)行けなかったのは素直に受け止めて、この裏選手権で勝とうという思いが強かった。まだ完成していないですけれども、全員で勝ちにこだわってできたかなと思っています」

 23年インターハイ8強の高知高(高知)は、「NEW BALANCE CUP 2024 IN TOKINOSUMIKA」(通称:裏選手権)決勝トーナメント1回戦で流通経済大柏高(千葉)に0-1で惜敗。だが、FW門田翔平(2年=安芸市立清水ヶ丘中出身)は流経大柏や桐生一高(群馬)など全国クラスのチームとの戦いで学べたことを前向きに捉えていた。

「前半、(相手のスピード感に)ちょっと慣れなかった部分がある。後半切り替えてしっかりやれたかなと。こういう強豪と肌を合わせることができて、自分たちには足りないところしかなかったと思うので、それを高知に帰って修正したい」

 相手のハイプレスに対してボールを繋ぐことにチャレンジ。ゲームメーカーのMF市原大羅(2年)らが正確にボールを動かし、左のMF山城亜蓮(2年)が鋭いドリブルで仕掛けた。また、後半には「前半、自分ができなかったことが凄く悔しかったので、『後半、何とかしてやろう』という気持ちが強くて、前線からの守備も行けた」という門田が前線で健闘。相手の厳しい寄せの中でもボールを収めるなど、チームが押し返す要因になっていた。

 加えて、DF陣も最後の局面で相手よりも先にボールに触れ続けるなど1失点で踏ん張った。そして、後半は粘り強くボールを繋ぎ、クロスなどから同点機も。ベスト16で敗れたものの、大坪裕典監督や選手たちが求めてきた強豪校との戦いの経験を、しっかりと高知へ持ち帰る。

 門田は昨年のインターハイで名を上げた一人だ。2回戦の羽黒高(山形)戦でハットトリックの大活躍。チームの8強入りに貢献し、大会優秀選手に選出された。だが、DF陣が奮闘した岡山学芸館高(岡山)戦や敗れた準々決勝・明秀日立高(茨城)戦で無得点。それだけに、「今年こそは(全国上位との戦いで)自分が点を取って勝ちたい」と意気込んでいる。

 筋トレを重ねてきた訳では無いというが、前線でのバトルの強さは印象的だ。原動力はフィジカルよりも気持ち。フィジカル面も強みの一つだが、ボールへの執着心の強さが、強敵にも負けない収める力や球際の強さを生み出している。また、前線で動き出しを続けて駆け引きでも勝負。その門田の憧れは、日本代表FW上田綺世だ。「身体能力と絶妙な抜け出しとか出し手も分かりやすいと思う。あの一瞬のスピードやしっかり決め切る力は目標にしています」。目標のFWに近づき、チームを勝たせるFWになる。

 選手権予選は、準々決勝で明徳義塾高に2-2からのPK戦で敗戦。市原や右SB小野響輝(2年)、FW松田翔空(1年)ら昨夏の経験者とともにスタートした新チームは目標を全国4強に設定しているという。

 門田の目標はさらに上。「ベスト4という目標をチームとして掲げているけれど、自分は全国優勝を目指していて、そこで得点王を取って全国で名を広げて……。良いチームとやっても決めきれる選手になりたい。自分が前線で頑張って一試合一試合、自分がチームを勝たせたい」。今大会で課題となっている連戦で決める力も改善し、24年を飛躍の一年にする。

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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