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選手権優勝は「もう過去のこと」。“日本一のキャプテン”青森山田DF山本虎は高校選抜で成長、結果を求める

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主将として青森山田高を日本一へ導いたCB山本虎主将(3年=青森山田中出身)は日本高校選抜で成長と結果を求める

 青森山田でのラストゲームから12日。“日本一のキャプテン”は、すでに先を見据えている。青森山田高(青森)CB山本虎主将(3年=青森山田中出身)が20日、日本高校サッカー選抜選考合宿に参加。1月8日の選手権決勝で近江高(滋賀)に3-1で勝利した後は優勝報告会などでなかなか練習時間が取れなかったようだが、「雪中サッカーで、ある程度は動こうかなと思ってやっていました」。9対9のハーフコートゲームでは対人守備やコーチングなどで奮闘。後方の守りを引き締めていた。

 9対9では青森山田のチームメートとも対戦。「自分のチームでも凄く良かった選手がここに来てるんで。久しぶりに相手としてやると、凄いやりにくいなっていうのはある」と苦笑する。それでも、これからは彼らもライバル。「この紅白戦でも負けたくないっていうのはあったんで、本当に自分が一番やるぐらいの気持ちでしっかりやっていきたい。そこはしっかり明日から持っていきたいです」と語った。

 青森山田中高6年間の総決算となった選手権は、優勝という最高の形に。山本は優勝の瞬間、両手を突き上げて優勝を喜び、チームメートたちの手で胴上げされた。インターハイの早期敗退など悔しい経験も糧に、目指していた選手権日本一を獲得。地元・青森では外出すると声を掛けられたりもしたという。だが、もう次へ向けて切り替えている。

「(選手権優勝は)もう過去のことなんで。世間の人も切り替わっていると思うし、自分にとっても、もう終わったこと。素晴らしいことですけど、次の大学だったりに向けて、しっかりやっていきたいなと思います」

 進学予定の東洋大で少しでも早く出番を勝ち取り、チームの勝利に貢献することが目標。今回の日本高校選抜選考合宿ではメンバー入りすることはもちろん、成長すること、結果を残すことも目指している。

「(高校選抜の)周りは上手い選手たちしかいない。自分がレベルアップしたいとか、ここで上手くなりたいって思える環境ではあるので、自分の特長を出しつつも、できないこともしっかり取り組んでやっていきたい。(特に)1対1では絶対負けたくない。ここに来たからには、もう自分のことしか考えない。この前でチーム(青森山田)のことは終わったんで、個人としてのレベルアップっていうところにしっかり重点を置いていきたい」と力を込めた。

 山本は昨夏、広島で開催された国際フェスティバルでU-17日本代表としてプレー。積極的に声を出し、リーダーシップも発揮していたが、U-17ワールドカップメンバーに食い込むことはできなかった。「代表や選抜であんまりいい結果が得られないっていうのはあるんで、結果を出すためにやっていきたいなっていうのは思っています」。これまでとは違う自分を示し、日本高校選抜でより多くの経験をするチャンスを掴む。

“日本一のキャプテン”は日本高校選抜でもリーダー格の一人。「ポジション的にもしっかり声出してチームを引っ張らないといけないっていうのはあるんですけど、自分はそこが大事だと思ってやってるんで、本当に自分が引っ張るぐらいの気持ちで。ただ、チームを引っ張るのも大事ですけれども、個人の結果にもしっかりこだわっていきたいなと思います」。ブレずに成長と結果を求めて将来の飛躍に繋げる。 

(取材・文 吉田太郎)


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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