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「自分自身も自信になった」。青森山田のU-17日本代表CB山本虎が主将としてプレミアEAST制覇

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青森山田高のU-17日本代表CB山本虎主将(3年=青森山田中出身)が「ファイナル出場権獲得」のボードを頭上に掲げた

[12.3 高円宮杯プレミアリーグEAST第22節 FC東京U-18 0-2 青森山田高 東京ガス武蔵野苑多目的G]

 悔しい思いもしてきた主将が、笑顔で「ファイナル出場権獲得」のボードを頭上に掲げた。青森山田高はプレミアリーグEAST最終節でFC東京U-18に2-0で勝利。2年ぶりの優勝、そしてプレミアリーグファイナル(12月10日、埼玉)進出を決めた。

 U-17日本代表CB山本虎主将(3年=青森山田中出身)は、「まずはファイナルに行けるというのが嬉しいです」とコメント。“U-18年代の真の日本一”を懸けたファイナル進出を素直に喜んだ。

 前節は勝てば優勝の決まる昌平高(埼玉)戦を2-2で引き分けた。FC東京U-18戦への準備は雪で練習時間が限られる中だったが、「チームとしてやることは変わらないので、それが今週もう一回確認したおかげできょうの結果に繋がったと思います」。この日は引き分けでも優勝を逃す可能性があったものの、青森山田らしく戦い、無失点勝利で優勝を決めた。

 山本は膝ほどの高さのボールに頭から飛び込んでクリアするなど前半から気持ちの込もったプレー。パートナーのCB小泉佳絃(3年)らに助けられながら、空中戦や潰しの部分で奮闘した。「後半最初は攻められていたけれど、ゼロで抑えられて、そこは理想の形に持っていけたかなと思っています」。DFとしての役割も果たしての勝利だった。

 16年度以降、選手権優勝3回、4年連続選手権決勝進出、2度のプレミアリーグファイナル優勝、21年度にはインターハイ、選手権、プレミアリーグEASTの“3冠”も達成した名門校の主将。青森山田中時代から青森山田高の公式戦に出場したほか、年代別日本代表の経験を持つ山本にとっても重圧は大きかった。優勝候補の筆頭と目されて臨んだインターハイは3回戦で敗退。プレミアリーグEASTでも堅守・青森山田が5失点して敗れた試合もある。それでも、リーダーシップを発揮できる選手の多い3年生たちに支えられて目標の一つを達成した。

「インターハイ負けてからこの2冠を達成するためにやってきたので。本当に最初のサニックス(カップ、3月)の頃から途中で負けた時は自分がキャプテンで良いのかとかありましたけれども、仲間がついてきてくれて、途中で信頼してくれない時もあったと思うんですけれども、最後優勝できた。まずはEASTで優勝できたことが自分自身も自信になったし、キャプテンとして何か一つやり遂げられたかなと思っています」

 プレミアリーグEASTで優勝したが、満足することはない。一週間後のファイナル、広島ユース戦で勝利することに集中する。山本は今年8月にU-17日本代表として出場した「HiFA 平和祈念 2023 Balcom BMW CUP 広島国際ユースサッカー」で広島ユースと対戦し、4-2で勝利。「ある程度の分析は自分自身もできている。(球際のバトルなどで)負けないように、良い準備をしていきたい」と力を込めた。相手は技術力もフィジカル能力も「相当高い」という感覚。その強敵に勝つための準備を徹底し、勝って“日本一の主将”になる。


(取材・文 吉田太郎)

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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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