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青森山田組や主将たちに質問し、ボランチでのプレーも。神村学園の2年生MF名和田我空は成長のために高校選抜で色々なことにトライ、吸収

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神村学園高のU-17日本代表MF名和田我空(2年=神村学園中出身)は9対9でゴールも

 24年高校サッカーの主役候補は、日本高校選抜で色々なことにトライ、吸収して進化を遂げる。神村学園高(鹿児島)のU-17日本代表MF名和田我空(2年=神村学園中出身)が20日、日本高校選抜選考合宿に参加。「学年関係なく引っ張っていきたい」と語るエース候補は、初日から積極的なプレー、行動を見せていた。

 昨年のU17アジアカップで得点王とMVPの2冠を獲得し、U-17ワールドカップのスペイン戦で鮮烈ゴールを決めている。その名和田は、GKを含めた9対9で左中間への抜け出しから左足でゴール。前線でボールを巧みに引き出し、その技術力と視野の広さで攻撃を引っ張っていた。

 加えて、「自分のプレー幅を広げるには、やっぱりこういうところでやっとくのも1つ手だなって思ってたので、自分からボランチがいないってなったら『ボランチするよ』って言ってやりましたし、色々チャレンジはしました」。神村学園ではトップ下や左サイドが主戦場だが、自分の成長のために慣れないポジションにもチャレンジしていた。

 また、名和田が求めているモノの一つがキャプテンシー。今回の選考合宿メンバー38人のうち、DF山本虎(青森山田高3年)やDF金山耀太(近江高3年)、MF太田隼剛(市立船橋高3年)、MF中村健太(堀越高3年)という選手権4強の4人ら約3分の1の選手がチームで主将を務めている。

「今年は自分も最高学年になるので、その中でほんとにそういうもの(キャプテンシー)も自分の中に1つ取り入れたいと思ってるので、自分の引き出しを広げるために色々なものを吸収して、ここで後悔して終わらないように色んなことトライして、自分のプレーを出していきたいです」

 コミュニケーション能力の高い名和田は、選手権王者・青森山田高の3年生たちにも積極的に質問。「山田もどういうことしてんのかとかやっぱ聞きましたし。メンタリティもそうですし、どのくらい走るのか聞いたら『毎日走るよ』と平気で言ってたので、日本一になるにはそんぐらい走んないといけないなと思いました」。上手くなるため、強くなるために貪欲なMFは、誰よりも多くのものを吸収して鹿児島に戻るつもりだ。

 日本一を目指した選手権は、初戦から3試合連続で1ゴールを決めるも、準々決勝で逆転負け。3年生たちを勝たせてあげられなかったこと、また自分がもっとできることを示せなかったことも悔しかった。

 選考合宿メンバーの3年生は大学進学組。それでも、選手権のヒーローたちの中でも飛び抜けたプレーをしなければならないと考えている。「選手権はほんと悔しい思いをして、ここで自分の本当の力を見せるチャンスだと思ってるので、そこはほんとに結果にこだわって頑張っていきたいです。やっぱりどれだけ自分のところで違い作れるか、この中でもほんとに一際目立つぐらいプレーしないといけない。(もっとコミュニケーションを取って)色々な人のプレーを引き出したり、自分のプレーを引き出してもらえるように頑張っていきたいです」。21日、22日は大学生との練習試合が組まれている。そこでチームの先頭に立って戦い、必ずゴールと白星をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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