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[新人戦]新生・青森山田のキャプテンマークと10番を託されたMF谷川勇獅。「自分に厳しい目を」向けて進化し、チームをまとめる

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新生・青森山田高のキャプテンマークと10番を託されたMF谷川勇獅(2年=ウインズFC U-15出身)は自分に目を向け、変わることを誓った

[1.29 東北高校新人大会準決勝 青森山田高 1-2(延長)尚志高 Jヴィレッジ]

「本当に、(監督の)正木さんの言ってた通りで。自分たちがもっと自分にも厳しい目を持ってやっていかないと、人に言ってるだけじゃ自分が変われないんで、自分にも厳しい目も向けて今後やっていきたい」

 延長戦の末、新チーム初黒星。青森山田高(青森1)のキャプテンマークを巻いた10番MF谷川勇獅(2年=ウインズFC U-15出身)は、個人個人が自分に厳しい目を向けて取り組む必要性を口にしていた。

 試合終了直後のミーティングで、選手たちは正木昌宣監督から敗戦の犯人探しをするのではなく、自分に矢印を向けることを求められていた。2冠を達成した3年生と比べ、新チームはまだまだ自発的に行動できる選手が少ないという。

 それだけに、指揮官は「負けたりした時に、『いや、オレ関係ないじゃん』みたいな雰囲気になるけど、やっぱ失点も11人全員で関わってるものだし。だから、そこらへんはまず自分に矢印ちゃんと向けて、まず自分が変わらないとチームは変わらないよっていうところを理解して欲しいなと思います」と説明した。

 1年時からAチームの公式戦で先発を経験し、昨年も秋に負傷離脱するまで先発を務めていた谷川は2年生の学年リーダー。新チームの主将はまだ決まっていないが、今回の東北新人大会は経験値も豊富な谷川がキャプテンマークを巻いてプレーした。加えて、10番を着用。「自分は特に気にすることなくやってたんですけど、やっぱ周りから必ず見られるものでもあると思うんで、その中でも一番やっていかないといけない立場でもありますし、それが今大会はチームの中で一番やってたかっていうのは、できなかったかなと思います」と首を振る。チームリーダー、10番として自分のやるべきことができなかったことを悔しがった。

 この日、青森山田は尚志高以上にチャンスを作っていた。谷川も精度の高いキックでその起点に。また、ボールを奪い取るシーンも増やしていたが、怪我明け、また連戦の影響もあってか、納得の行くパフォーマンスをすることはできなかった。「やっぱり後半の途中ぐらいから自分のプレーの質っていうのは落ちていて、運動量の部分でも、こういう連戦の中で最後まで走り切れなかったっていうのは、自分でも悪かったのかなと思います」。リーダーは敗戦の責任を自分に向けていた。

 青森山田はサイド攻撃やセットプレーでチャンスを作り、ゴール前での堅守も見せた。だが、青森山田がやるべき切り替えの部分や、“一本中一本”のシュートを決め切ることを表現できなかった。谷川はチームとしても力が不足していたことを指摘する。

 谷川は「単純に、相手の方が自分たちよりも走ってましたし、相手の方が団結力あって、自分たちは声であったり、そういうのでバラバラになってた部分もあったんで、そこがこういう結果になったのかなと思います。まずは先頭に立つ人間がチームを一つにして、本当に団結力あるチームに。本当に3冠だったりできると思うので、そういうチームを作っていきたいです」と誓う。

 個人としても成長し、チームとともに2冠後の重圧を乗り越えていく。「自分、まだチームをまとめれてないので、自分はそういう力がまだ足りないと思いますし、みんなからの信頼もそういった意味では低いと思います。まずはチームからの信頼を得て、チームをまとめていければ、チームも良い方向に行きますし、自分も良い方向に行くのかなと思います」。谷川は24年青森山田のリーダーの一人であり、有力なエース候補。自分に厳しい目を向け、ピッチ内外で信頼を掴んでチームをまとめる。
 
(取材・文 吉田太郎)

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