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次期リーダー候補、攻守の要。MF谷川勇獅はより一体感のある青森山田を作り上げて先輩超えへ

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青森山田高MF谷川勇獅(2年=ウインズFC U-15出身)は来季、リーダーとして3冠を目指す

[1.8 選手権決勝 青森山田高 3-1 近江高 国立]

 次期リーダー候補が中心となって、3冠に挑む。青森山田高のMF谷川勇獅(2年=ウインズFC U-15出身)は決勝で後半33分から交代出場。「試合を締めるという意味での投入だったと思う」というボランチは役割を果たし、3-1をキープしたまま優勝の瞬間を迎えた。

「本当に嬉しいというのがありますね」と谷川。喜びが悔しさを上回った。昨年4月から先発として勝利に貢献してきたが10月下旬のプレミアリーグEAST・市立船橋高戦後に左足甲を負傷。選手権予選、プレミアリーグ終盤戦、プレミアリーグファイナルとサポート役に回った。

 選手権での先発復帰を目指してきたものの、左SBからボランチに回っていた菅澤凱(3年)が欠かせない存在に。谷川は決勝を含めて3試合の途中出場に留まった。それでも、2年生ボランチは「先発ではなかったけれど、ベンチに入れてもらって、最後出してもらったのは(監督の)正木さんに感謝です」と語る。

 そして、「復帰してからベンチで悔しかったです。だけど、出させてもらっているので『やらなきゃな』という気持ちでチームのために走ろうと思っていました。こういう結果に繋がって良かった」と優勝を素直に喜んでいた。ここからコンディションを上げて新シーズンを目指す意気込みだ。

 谷川は、怪我のために昨年11月の新人戦を欠場している。同大会は左SB小沼蒼珠(2年)がキャプテンを務めたが、谷川は「ずっと部活の中での集会は自分が(リーダー格として)やってきたので、来年も自分が(主将を)やりたいなと思います」と自分が先頭に立って行動する意気込みだ。

 現2年生は1学年80人の大所帯。「まとまったら今年以上の一体感や団結力は必ずあると思うので、そういうところを自分がまとめていきたいと思っています」。話す力、聞く力を持つ選手の多かった先輩たちの良さを受け継ぎ、より一体感のある青森山田を作り上げる。

 プレーヤーとしてもチームの柱にならなければならない選手だ。ボランチとして試合に出るために守備を強化。1年時から先発としてプレミアリーグや選手権に出場した谷川は24年、持ち味の運動量や推進力のある攻守でもチームを勝利へと導く。

 隣でプレーした10番MF芝田玲(3年)のような存在へ。「(芝田は)隣にいて心強かったです。本当にメンタルも強いですし、結構キツく言われたりもしたんですけれども、彼はボールコントロールも技術もあって、自分、言われるだけだったんですけれども憧れていた感じです」。また、中高の先輩に当たる190cmCB小泉佳絃(3年)の勝負強さや鉄壁の守備を受け継ぎ、勝利、タイトルに結びつける考えだ。

「怪我する前までスタメンでやってきましたし、経験の多い立場だったので、自分がプレーや声で引っ張っていけるように。プレッシャーとかキツイ状況とか本当に多くなると思うんですけれども、それでも山田である以上、勝ち続けないといけないですし、来年も3冠を目指してやるので、そこには覚悟を持ってやっていきたい」。容易ではないチャレンジであることは確か。それでも、現2年生は1年時の22年国体少年男子の部で青森県選抜初の準優勝を果たした期待の世代でもある。谷川はリーダー、攻守の中心選手としてより一体感のある青森山田を作り上げ、先輩超えを果たす。
 
(取材・文 吉田太郎)


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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