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[MOM4639]日章学園FW水田祥太朗(2年)_“6連戦”で最後まで走り抜き、1ゴール。サイズ、スピード兼備のCF候補がWBとしての可能性も示す

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後半4分、日章学園高FW水田祥太朗(2年=CAセレスト出身)が右足で九州大会3得点目のゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.20九州高校新人大会3位決定戦 佐賀東高 0-4 日章学園高 白波スタ]

 多くの関係者の前で新たな可能性を示した。日章学園高(宮崎2)FW水田祥太朗(2年=CAセレスト出身)が右WBとして先発。前日の準決勝では左WBを務めており、Jクラブや大学の関係者が多数集まる九州高校新人大会で複数のポジションでプレー可能なことを実証した。

 FWとして日章学園に進学し、今大会も主に前線でプレーしてきた。178cmのFWはスピードを活かしたDF背後への抜け出しやゴール前の迫力、対人プレーを武器とし、前線での守備も奮闘。本格派FWの雰囲気を漂わせているが、「(これまで)SBとかSHで使われることが多くて、自分の感覚的にもSBとかSHをやってる方も楽しさがあって。やりがいはあります」。前半、推進力を持って攻め上がり、シュートを撃ち込むシーンもあった。

「縦への推進力っていうのは他と比べたら抜けてる方だと思うんで、右行った時も、左行った時も、まずは縦勝負っていうのは意識しています。相手は縦に来られる方が嫌と思う。今日は、縦を意識してやりました」

 後半開始からはCF(センターフォワード)へポジションチェンジ。後半4分、鮮やかなパスワークに係る形でゴール前へ抜け出し、右足シュートを決めた。コンパクトに合わせるべきシーンで大振りになったことを原啓太監督に指摘されていたものの、今大会3得点目(3アシスト)。FWとして結果を残した水田は、その後も一際運動量多く走り続け、4-0の勝利に貢献した。

 特別体力に自信がある訳では無いという。だが、「メンバーに入ってない人たちのこと考えたら、自分は走ることやめられないんで。ミスしても取り返していけば失点もないと思うので、走るだけです。試合中はもうアドレナリン出ています」。予選リーグが30分ハーフ、決勝トーナメントも35分ハーフだったとは言え、九州高校新人大会は4日間で6試合目。うち5試合でフル出場した水田は、走り切って九州大会を終えた。

 原監督は水田をWBとして起用した理由について、「このサイズでこの推進力を。ああ見えて足も速いので、スケールの大きい……彼のキャリアを考えたら、右WBとかSBとかだと、佐賀東の田中(佑磨、U-17日本高校選抜候補)君じゃないですけど、ああいう見栄えのいいSBになるような気もするんで、色んなところを経験させたいと思います」と説明する。

 水田は「ボランチとかあんま経験ないですけど、SH、CB、FWとかはもうできます」とコメント。そして、「最終的にはサッカー選手になることが目標です。(チームによって)色々なポジションをすることになると思うんで、今のうちに経験積んでどこで出してもらえても使える選手になれるようにしたい」と前向きに挑戦する意気込みだ。

 まずは、FWとして結果を残すことが目標。昨年は、九州トップクラスのストライカーだった先輩FW田上遼馬(3年、明治大進学予定)のプレーを見て、アドバイスも受けてきた。「絶対、自分がFWのポジションで出て、点取って、結果残したい。(田上は)自分とのプレースタイルと似てて、体の使い方とかゴール前の入り方とかは結構1年間通してアドバイスをくれたので、そこは遼馬も信じてやってます」。田上や隣でプレーするエースFW高岡伶颯(2年)から学んだことをピッチで表現し、ゴールを決めること。そして、どのポジションでプレーしても活躍する選手になって、将来の可能性を広げる。

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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