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[MOM4637]神村学園FW名和田我空(2年)_今年は高校サッカー界の主役に。雨中で違い見せつけ、先制弾

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後半11分、神村学園高FW名和田我空(2年=神村学園中出身)が左足で先制ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.19九州高校新人大会準決勝 佐賀東高 0-3 神村学園高 鹿児島県立サッカー・ラグビー場A]

 九州高校新人大会3日目から参戦したエースが、早速違いを見せつけた。神村学園高(鹿児島2)FW名和田我空(2年=神村学園中出身)は、18日まで日本高校選抜の活動に参加。怪我の影響でプレーしたのは最終日の練習試合40分間だけだったが、この日は準々決勝と準決勝の計140分間をフル出場し、2試合連続で貴重なゴールを決めた。

 準々決勝では苦しい展開で迎えた後半に同点ゴール。そして、大雨で水たまりのできた準決勝でも、前半から悪コンディションを感じさせないプレーを見せ続けた。前線でボールを正確に収め、テンポ速く味方選手の前方へパス。ピッチに苦戦する選手が多い中、1タッチでの展開など名和田にボールが入るとゴールの可能性は確実に高まっていた印象だ。

 パスの強弱、角度とゴールを意識したパスでチャンスメーク。注目アタッカーは、一本一本のパスの質までこだわっている。「それはほんと意識してて、横パスであっても。自分はほんとに質でのスルーパスだったりで勝負するので、そこは見て欲しい一つの点でもあります」。佐賀東高の守りも堅く、0-0の状況が続いたが、名和田がチームに待望の1点をもたらした。

 後半11分、左サイドからのパスが水たまりによって直前で減速。名和田は一瞬足が止まりかけたが、相手よりも速く反応し、間を与えることなく一気に縦へ持ち込む。そのまま左足を振り抜き、先制点を挙げた。

「前向いた時点でまっすぐゴール、もうシュートしか考えてなかったので。ゴールは、やっぱり迷わず振り抜いた結果だなっていうのは思います」

 有村圭一郎監督も「(MOMは)名和田でしょう。それはもう、あの1発。やっぱり(名和田不在だった)昨日と今日でも、明らかに(チームが)違うってみんなが言ってるので」と認めるプレー。佐賀東のU-17日本高校選抜候補右SB田中佑磨主将(2年)も巧みにボールを隠し、DFの足が届かない位置へボールを運ぶ名和田の“器用さ”を口にしていた。2試合目の後半はさすがにコンディション面で厳しい面もあった模様。だが、エースは最後までピッチで戦い抜いた。

 今冬は複数のJ1クラブに練習参加。「スピードの部分だったりっていうのは、まだまだ足りないなと思うんですけど、シュートだったり、ゴール前の質は劣っていないなっていうのは感じるので。そこは ほんとに自信にもなりますし、足りない点も明確に分かっているので、よりフィジカルの部分でもっとレベルアップが必要だなっていうのは思っています」。成長するために色々な選手のプレーをチェック。浦和ではW杯戦士のDF酒井宏樹からかなり強烈なタックルを受けたという。プロ、世界の厳しさ、レベルの高さも体感してチームに戻ってきた。

 1年時から注目され、今冬の選手権では3戦連発。U17アジアカップ得点王&MVP、U-17ワールドカップ・スペイン戦での鮮烈ゴールなど輝きを放ってきたが、まだ神村学園に全国タイトルをもたらすことはできていない。まずは20日の九州大会決勝で勝利し、チームメートとともに九州タイトル獲得を喜ぶ。

 今年の目標について、名和田は「もうラスト1年なので、3冠を狙ってるので、ほんとにこの日本一を取るために自分は神村学園に入ってきたので、今年は自分だなっていうのは感じてるので、高校サッカー全体の主役を自分が持っていけるように、今年1年、ほんとに頑張りたいなっていうのは思っています」。プロ1年目から戦える体作りにもチャレンジ。誰も認めるようなプレーを続け、目標を達成して高校サッカー界の主役になる。

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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