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目標としてきた背番号4の後継者に。CB伊藤柊が青森山田を引き締め、対戦相手を封じ込む

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新生・青森山田高の守りを支えるCB伊藤柊(2年=FC FUORICLASSE SENDAI出身)

[3.13 サニックス杯 青森山田高 3-0 東海大福岡高グローバルアリーナ]

 目指してきた4番の後継者になること。怪我から復帰したCB伊藤柊(2年=FC FUORICLASSE SENDAI出身)が、新生・青森山田高(青森)の守りを引き締めている。

 13日のサニックスカップ(福岡)初戦で青森山田は東海大福岡高(福岡)に3-0で勝利した。伊藤は1月の東北高校新人大会開幕直前に負傷離脱し、一週間前に復帰したばかり。まだ思うように動けていない部分もあるようだが、正木昌宣監督は「やっぱりアイツが入ると締まるし、個人でも1対1も強い」と信頼を置く。

 キャプテンマークを巻いたMF谷川勇獅(2年)も、「(伊藤)柊が戻ってきたのは、デカいです」とコメント。準決勝で尚志高(福島)に敗れた東北高校新人大会は不在だったDFの復帰によって、チームは安定感を高め、声の量も増えている。

 伊藤はこの日のパフォーマンスについて、「怪我明けから初めてフルでやったので。ちょっと前半の最初の方、しんどい部分っていうのが結構あったんですけど。(また)最後の方、ちょっと当たり前のことがちょっと疎かになってしまった。そこは次に改善したいなと思います」とコメント。昨年、2冠世代のAチームに帯同してきたDFは、前主将のCB山本虎(3年)やCB小泉佳絃(3年)から学んだことを表現する意気込みだ。

「去年からずっとAで滞在させてもらって、やっぱり近くで見てたので、もっとやんなきゃいけないことは多いと思います」。声でチームを動かし、周囲の選手がプレーしやすい状況を作ること。また、2人の先輩のようにセットプレーで得点し、「(今年も)山田のセットプレーを強みにしたいので、自分がそこで点取るっていう自覚を持ってやっています。(2人のCBを)やっぱりずっと見てきてたんで、それは憧れにするんじゃなくて、しっかり超せるようなCBになりたいと思っています」と力を込めた。

 伊藤はこのサニックスカップで背番号4を背負っている。前任の4番は、U-17日本代表、日本高校選抜にも選ばれている山本だった。伊藤はU-16青森県選抜で山本とCBコンビを組み、22年国体少年男子の部で青森県初の決勝進出、準優勝。伊藤は、プレミアリーグや選手権で輝いた4番を自分が引き継ぐことも目標にしてきたという。

「ずっと4番引き継ごうって虎さんにも言ってたんで、あんまり気負いっていうのはないんですけど。やっぱり山田の4番っていう自覚を持ちながら、リーダーシップを持ってやっていきたいと思います」。自覚を持って周りを助ける選手になる。

 伊藤は今年、谷川や右SB小沼蒼珠(2年)とともにチームリーダーの一人。偉大な先輩たちから学んだことを同級生や後輩たちに伝え、その上で自分たちの良さを引き出していく。「ほんとに去年の人たちは人柄もちゃんとしていて。人として大人だったメンバーが揃ってたので、自分たちが見習うべき場所っていうのはそこだと思っています。プレッシャーっていうのはありますけれど、あんまり周りの目っていうのは気にせず、自分たちのスタイルっていうのを出しながらやって行こうって、みんなで話しています」。責任感を持って無失点で守ること、セットプレーでのゴール、そして怪我をすることなく、全ての公式戦で先発し続けることも今シーズンの目標。今年も背番号4のCBが、青森山田を引っ張る。

(取材・文 吉田太郎)

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