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[新人戦]米子北が中国3位決定戦で玉野光南に3-0勝利。今年初の公式戦で収穫と課題も

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米子北高がMF柴野惺(8番)のゴールなど3-0で勝利

[3.17 中国高校新人大会3位決定戦 米子北高 3-0 玉野光南高 Balcom BMW広島総合グランド]

 第16回中国高等学校サッカー新人大会は、17日に3位決定戦を実施。MF山崎涼(1年)のゴールを皮切りに3得点を奪った米子北高(鳥取1)が、玉野光南高(岡山3)に3-0で勝利した。

 鳥取県は新人戦を前年11月に行なうため、米子北にとって中国新人大会は今年に入ってから初めて挑む公式戦。「選手の勉強になれば良いかなと思っていた中、試合経験を積めたことはありがたい」。中村真吾監督はそう話す一方、「勝ちに行った大会だったので、勝ちたかった」と続ける。

 瀬戸内高(広島1)に挑んだ準決勝をPK戦で敗れたため、3位決定戦に回ることになったが、気落ちした様子は見られない。「去年は4位で終わっていたので今日勝てば、一つ越えられる。3位と4位では全く違うし、3年生の進路に関わるので、絶対に勝つという気持ちで挑みました」と口にするのは山﨑だ。

 試合開始と共に米子北は、ボールを持ったら素早く前方に展開。相手の守備陣に奪われてもFW西尾潤星(2年)とMF佐野聖也(2年)の2トップが高い位置からプレスをかけて、玉野光南にビルドアップを許さない。前方に蹴りだされても中盤でセカンドボールを拾って、相手コートでゲームを進めていく。

 最初の決定機は前半13分。佐野が競り合ったこぼれ球に山崎がゴール前で反応すると、浮き球を左足ボレーで叩き込んだ。「ごちゃっとした中でオフサイドを気にしながら、自分の所に落ちてきた。ゴールは見えていなかったのですが、思い切って打った」と振り返る一撃で均衡を崩すと、21分にもDF小西悠世(2年)がゴール前の混戦から右足シュートを決めて、リードは2点差に。26分にも佐野のパスから、MF柴野惺(2年)がミドルシュートを突き刺し、一気に3点リードまで持ち込んだ。

 押し込まれる展開を覚悟していた玉野光南にとっては、粘り強い守備でロースコアのまま前半を終えることが狙っていた。乙倉健司監督は「元々のカテゴリーが違うので、胸を借りる立ち位置の構図だった中、早い時間での連続失点でゲームプランを崩してしまった」と振り返る。ハーフタイムには、「後半は4月からスタートするリーグに向かって、少しでも自分たちの財産となるゲームをしていこうと伝えた」という。

 前半は米子北のプレスに苦しみ、長いボールを蹴る場面が散見されたが、後半は勇気を持ってボールを動かそうとする時間が増えていく。攻撃のカギを握るMF北村雄河(2年)とMF森虹太朗(2年)のダブルボランチもリズムを作りながらも高い位置に飛び出し、反撃の機会を伺い続けた。後半9分には北村がスルーパスから抜け出し、GKとの1対1を迎えたが、タイミングよく前に出た米子北GK広川武寛(2年)に阻まれ、得点には至らない。

 試合終盤は再び米子北の時間が続き、17分には右クロスがPA左に落ち、走り込んだMF山下一圭(2年)がシュート。21分にもDF熊谷弾(1年)のパスから山下がフリーでゴール前を抜き出し、ループシュートを狙ったがシュートは枠を捉えることができない。試合はそのまま3-0でタイムアップを迎え、米子北が3位となった。

 準々決勝と準決勝を戦った前日は2試合で計4失点。いずれも前後半の立ち上がりに許した失点で、米子北にとっては課題が残る大会となった。ただ、無失点勝利で大会の最終日を終えたこと、経験の少ない選手がトーナメント特有の緊張感を経験できたことは大きな収穫だ。

「チームとしては優勝を目指しながら3位で終わってしまった。勝ち切れなかったところは反省点。自分自身は今大会、点を取ることを目標にしていたので、1点を取れたことは良かった。苦手だった守備の部分を改善できたので良かった」。そう話すのは山﨑だ。プレミア開幕まで残り3週間。ここから続く春休みのフェスティバルで個々のレベルを高め、万全の準備を進めていく。

(取材・文 森田将義)
森田将義
Text by 森田将義

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