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[船橋招待]プレミア初挑戦。帝京長岡の注目GK小林脩晃はどんな時も「ブレずに、忘れずに」勝利を目指し、ゴールを守り抜く

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中学時代は日本クラブユース選手権MVP。GK小林脩晃(新3年=FC東京U-15むさし出身)がプレミアリーグ初挑戦の帝京長岡高を勝たせる

 第29回船橋招待U-18サッカー大会が29日、千葉県内で開幕した。帝京長岡高(新潟)は昨年12月のプレミアリーグプレーオフで岡山学芸館高と浦和ユースに勝利。6度目の挑戦で悲願のプレミアリーグ初昇格を果たした、今年、AチームがプレミアリーグWEST、2ndチームがプリンスリーグ北信越1部、3rdチームがプリンスリーグ北信越2部、そして4thチームが新潟県1部リーグを戦う。

 現在、Aチームは、4月7日の初陣(対広島ユース)へ向けた準備中。船橋招待初日はAチームが東京Vユースに1-2で逆転負けを喫し、メンバーを入れ替えて臨んだ熊本ユース戦もMF和食陽向(新1年)やDF椎名聖祈(新3年)が健闘したものの、0-3で敗れている。

 だが、新3年生は1年時にU-16全国大会のミズノチャンピオンシップU-16 ルーキーリーグで初優勝し、U-17日本高校選抜CB山本圭晋(新3年)、MF水川昌志(新3年)、FW新納大吾(新3年)ら昨年からの経験者も多い期待の世代だ。その一人であるGK小林脩晃(新3年=FC東京U-15むさし出身)は高体連トップクラスの守護神。非常にマジメな性格で悩みながらも成長を重ねてきた。抜群のセービング力に加え、進化したクロス対応などが魅力。その注目株が、プレミアリーグへの意気込みなどを語った。

―プレミアリーグ開幕が近づいてきている。
「もう2週間を切っていて、実感があるようでないというか。ほんとにこれからプレミアリーグを戦うんだなっていうところに向けて色々準備していても、去年経験してないステージなんで、色々な感情、ワクワクだったりとか不安であったりとかっていうような感じはあるんですけど。ただ、(開幕が)来ることには違いないんで、今はそれに向けてというような感じです」

―準備としてはここまで順調に来れている?
「順調かどうかでいうと、順調ってほどではないと思うんですけど、色々な大会だとか試合経験をしてきて勝てないことも、上手くいかないことも多かったですけど。つい一昨日まで行っていた沖縄のキャンプなどで少しずつ修正できていて、まだ未完成ではあるんですけど、着実に準備っていうのはできてるのかなっていう風に思います」

―小林君自身にとって、プレミアリーグはどのような舞台ですか?
「自分自身はプレミア参入戦を1年生の時に戦っていて、自分たちの代が上がらせてもらうんですけど、その1年生の時の3年生の思いだったり、去年の参入戦は勝った訳ですけど、その時の3年生の思いも、身近なところで感じている。もちろん、やるのは自分たちですけど、そういう今まで負けてきた先輩たちの思いっていうのも感じて戦うっていうところに、ありがたい部分もありますし、やっぱりしっかり結果を出していかないといけないなっていう使命感というか、そういうところもある。もちろん楽しみですけど、やるからにはほんと、勝ちたいというところがあります」

―長岡の町の子供たちにもこんな戦いがあるんだぞ、と見せられる機会。
「ニュータウン(長岡市ニュータウン運動公園サッカー場)でほとんどの試合がある。ニュータウンだったら、きっと色々人が見に来てもらえて、いつも練習してるところですけど、きっと違ったニュータウンというか、『ほんとにニュータウンなのか』っていう会場になると思うんですけど、すごい楽しみですし。色々な人に見てもらえるっていうのは、とてもありがたいことですね」

―その舞台でどこまで帝長が躍動できるか。
「もちろん去年試合出てた人だとか、試合だけじゃなくて選手権のメンバーに入ってた選手だとかがたくさんいて、やっぱり自分たちの代っていうのはすごい1年生の頃から古沢(徹)先生に指導してもらって、結果的にですけど、ルーキーリーグで1位取れたってところで、すごい自信っていう部分もあります。ただ、その時とは自分たちも違いますし、周りのチームもほんとにレベルが上がっていて、上手くいかないことも今年新チームになってから多かったですけど、目指してるところはほんとにプレミアリーグ優勝っていうのは間違いないですし、それに向けてそれぞれが強い思いでやっているので、それは本当に合っていけばものすごい力になるのかなっていう期待というか、そういうようなところは感じてはいますね」

―上位に行くためには、小林君が失点を10も15も減らしていかないといけない。
「自分の強みであるシュートストップっていうのは、絶対にチームの勝ちには必要不可欠なところで、やっぱりどれだけ最後の最後で止められるかっていうのは、鍵になってくるなと思いますし、プレミアリーグはほんとプリンスと違って、絶対質の高いシュートが飛んでくる中で、ほんとに最後の最後で止めれるか止めれないかで、もちろん結果にもそうですけど、味方の信頼だとか、ほんと最後の頼みになる。メンタル的なところで、ほんとにいい影響を与えられたなっていう風に思います」

―「これ枠に来るのか」とか、そういうシュートが飛んでくるはず。
「レベルの高いFWは、中学生の頃から一緒に(FC東京U-15)むさしでやってきたので。あの感覚がずっとありますし、ほんとにそのタイミングで打つのとかっていう部分もあると思うんですけど、そういうところは練習でしっかり積み重ねて、どんなシュート、どんなシチュエーションになろうと、ほんとに止められるような準備はしていきたいなっていう風に思います」

―代表クラスのシュートを止め続ければ、評価を上げるチャンスに。
「プレミアリーグで自分のプレーが出せたら、ほんとに自信にも繋がると思いますし、何よりも自分の成長っていう部分には、ほんとにどん欲に求めていかないといけない。もう中学の同期がプロになってたり、知ってる人、昔一緒にプレーした人が代表を背負って、プロでっていうところには本当すごい刺激をもらってるからこそ、やっぱり自分ももっともっとっていう気持ちでプレミアリーグで戦っていきたいなっていう風に思っています」

―佐藤龍之介選手などが代表やプロに。
「別のチームだとヴェルディだったら川村楽人(トップチーム昇格内定)。同期だけじゃなくて先輩にも小林将天がプロに上がって、静岡学園だった中村圭佑がヴェルディ行ってとか、同い年の後藤亘はもう代表1番でずっと試合でっていうところもあって、それに負けないように。身近でプレーしていて知ってるからこそ、経験してきた部分というのもあると思うんで、そういうところは逆に一緒にプレーしてこなかった選手にとってはハンデはあるのかなと思うので、上手く活かしていきたいなっていう風に思います」

―自分との距離感も分かるだろうし、俺も負けてないぞって絶対に思ってると思う。
「(旧知の選手の活躍は)ほんとに悔しい部分がいっぱいありますし、そういう選手を見て、自分とどれくらい差があるのかとか、自分、どこが足りてないなとかっていうのは明確に分かる部分なので、その悔しさを糧に練習して、結果を出していきたいなって思います」

―この1年の自分の変化をどういうところに感じる?。
「何よりも大きな舞台を経験してきたからこそ、きっとプレミアリーグ緊張はすると思うんですけど、経験してない人たちに比べたらガチガチには多分ならないと思いますし、そういうところの差だったりとか、去年1年間で新たなストロングポイントも自分で得ることができている。クロスのところで、去年の最初っていうのは全然出れなくて。ただ、選手権やプレミア参入戦では、自信持ってクロスに対して出てキャッチできて、それはほんとに味方にとっても、守備範囲が広くなったのはメンタル的に大きな部分なのかなっていう風に思います。ただ、それでも選手権で結果残せなかったっていうところで言うと、やっぱりまだまだ1年間やってきても足りない部分があったっていうことだと思うんで、今年のテーマとしては、ほんとにチームを勝たせられるキーパーになれるようにやっていきたいと思います」

―今日の試合の感想も教えて下さい。
「自分自身、あんまり上手くいかなくて、結構迷いだとかっていうのがあって、それでも今日、フルさん(古沢徹監督)とかケンさん(川上健コーチ)にちょっと色々話してもらって、今日スッキリした部分もあって。ほんとに上手くいかなかったし、全然ダメだなっていう風に実感したんですけど、それでもさっき言った通り、ブレずにというか……。自分、ゴールを守るとか、味方を頼るとか、フルさん頼るとか、信じるっていう絶対ブラしちゃいけないところをほんとに忘れずにやっていきたいですね。そうすれば、きっと直近で変わることはないかもしれないんですけど、もっと先を見た時に選手権で結果出せると思うんで、ちょっとそういうところはやっていきたい」

―自分を信じて、チームメートを信じて、スタッフを信じて。
「はい。上手くいってない時こそ天狗にならないというか、もう1回初心忘れずにというか、そういう大事な部分からもう1回見直して、1からやっていきたいなって思います」

―今年、どのような1年を過ごしたい?
「何よりも今、ほんとにちょっと迷いだったり、自信ない部分はあるんですけど、そういうのはやってかないと、ほんとに解消していかないですし。何よりも、ほんとにチームを勝たせるっていう部分とかゴールを守るだとか、ブラしてはいけない部分っていうのをほんと忘れないで、そこを明確にして、それに向かって頑張っていけばきっと自ずと結果がついてくると思ってるので、そういうところはほんとにブレずに、忘れずにやっていきたいです」

―中村君も悔しい負けなどから変わって、プロを掴んだって言われている。
「チャンスっていうのはどこにあるか分からないんで、ほんとそれは同期の人が掴んでる分、身に染みて感じる部分というか。もちろん結果が出ないだとか、上手くいかないっていう時、そういうものを忘れがちだと思うんですけど、それでもめげずにやっていくことはきっと結果に繋がると思う。そういうほんと大事な部分というか、コアの部分っていうのをほんとに1年間やっていきたいです」

―最後に今年の目標を教えてください。
「やっぱり個人としては何よりチームを勝たせる気ですし、自分のことよりも周りを優先したい。そうすれば、自ずと最終的に自分に返ってくるっていう風に自分は思ってるんで、それが結果として現れればいいなと思いますし、チームとしては、プレミアリーグとインターハイと選手権で3冠というのはずっとチームで掲げてるんで、そこを目指して頑張っていきたいと思います」

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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